写真データの管理・バックアップ運用

  • 2020年5月6日
  • 2020年5月29日
  • Tips

写真歴が10年以上になると、何度か写真データをロストしそうになる危機があって、データロストをしないために今の構成になったので紹介。

写真データ容量

2020年5月現在の写真データは以下です。一番古い写真は 2007年から溜め込んでて約13年分の写真データになります。この写真データを失うのは怖いので、バックアップは万全にしてます。

項目説明
合計容量4.03 TB
ファイル数96,639 ファイル
ファイル形式静止画: RAW形式(フジ/Nikon)、JPEG形式(ほぼ無い)
動画: MOV形式(H.264 or H.265)
写真管理アプリAdobe Lightroom Classic

基本は RAW形式の写真ばかりで、たまに JPEG が混じってます。あと、動画については野鳥撮影時にとかに撮ることがあるのでその動画になります。

 

自宅内でのデータ管理

RAID はバックアップじゃないよ

たまにバックアップのために RAID を使おうと書いてるところがあるけど RAID 構成はバックアップじゃないです。RAID はあくまでもサービス停止させずに HDD の単体障害を回避するための技術です。(RAID0は例外)

なのでバックアップ目的で RAID を構成するのはやめておきましょう。HDD の単体障害に耐えれても、そもそも RAID を構成しているコントローラが壊れたら読めなくなる可能性が高いです。

パソコン構成

写真のデータ管理・RAW現像に使っているパソコンは、以前紹介した以下の自作PC になります。

 

CPUは AMD Ryzen 7 3700X(8Core, 3.6GHz)/メモリ 32GB の構成で、写真管理に肝心となるディスク構成はこんな感じです。

#ディスク種別容量使い方
C
ドライブ
SSD(M.2 NVMe)
SanDisk Extreme Pro
500 GB・Windows OS 領域
・アプリケーション導入領域
・Adobe Ligthroom カタログ/キャッシュ領域
D
ドライブ
SSD(M.2 NVMe)
Intel SSD 660p
1 TB・直近の写真データ
・SDカードからの取り込みはこの領域
E
ドライブ
HDD(SATA)
Seagate BarraCuda 5400rpm
8 TB・時間が経過した写真データ
F
ドライブ
HDD(SATA)
Seagate BarraCuda 5400rpm
8 TB・写真バックアップ領域

 

オリジナルを格納する写真領域としては、Dドライブ Eドライブに分けてます。

使い分けとしては SSD はアクセススピードが高速なので SDカードからの取り込みも高速だし、写真セレクトや RAW現像時も快適なので Dドライブは最新~1年間分程度を目安に格納してます。

Dドライブとして使用しているのはインテルの Intel SSD 660p シリーズの 1TB です。

 

1年以上経過した写真は滅多に使わないので、アクセススピードは遅いけど容量単価の安い HDD に移動してます。写真の移動時は Lightroom 上で行うことで RAW現像のデータとかを保持したまま移動が可能です。

EドライブとFドライブ用で使用しているのはシーゲートの BarraCuda 5400rpm の 8TB のモデル(ST8000DM004)です。2018年の夏に買った時は1本 18,000円程度でした。

 

Adobe Ligthroom のカタログファイル/キャッシュデータ領域

私の環境では Cドライブの SSD 性能が高くて性能を使い切ることがないので、カタログファイルとキャッシュデータ領域として使ってます。

Cドライブを使うのであればデフォルトで設定されてるので変更の必要はない。キャッシュサイズは、ディスクの容量が許すのなら、ちょっと大きめのほうがいい気がします。

 

データバックアップ方法

データのバックアップについては、Windows に標準で付いている Robocopy コマンドを使って同期させてます。Robocopy コマンドは Windows 2000 の頃からある歴史の長いコマンドでサーバーの運用環境でも使われている実績のあるコマンドです。(exeファイル自体は細かくバージョンアップはされてます)

コマンドは単純で、以下のようにコピー元とコピー先のフォルダを指定して、コピーする時のオプションを指定するだけです。

 

オプションで付けて置くべきなのは、最低限、以下の3つがあれば大丈夫。

オプション説明
/MIR・フォルダを同期する。
・コピー元で削除されたフォルダ/ファイルをコピー先でも削除する。
/R:1・コピーに失敗した際の再試回数を 1 に設定。
・何も指定しないとデフォルトの 1,000,000 で動作するので終わらないため変更。
/W:1・コピーに失敗した際の再試行と再試行の間の待機時間を 1 に設定。
・何も指定しないとデフォルトの 30 秒で動作するので終わらないため変更。

 

Eドライブ内の Photos フォルダを Fドライブの Photos フォルダに同期したい場合には以下のように実行します。/MIR を付けておけば差分だけコピーしてくれるので、同じコマンドで新たに追加された写真だけがコピーされるので、初回だけはフルコピーなので時間は掛かるけど、2回目以降はそんなに時間はかかりません。

 

一回一回コマンドを実行するのは面倒なので、Windows 標準のタスクスケジューラを使って、定期的に実行するように設定します。タスクスケジューラは「Windowsマーク」をクリックして「タスクスケジューラ」と検索すると出てきます。

 

タスクスケジューラ ライブラリ」上で右クリックし、「タスクの作成」をクリック。

 

全般」タブを選択し、名前にわかりやすい任意の名前を入力して、以下を選択。

  • ユーザーがログオンしているかどうかにかかわらず実行する
  • 最上位の特権で実行する
  • 表示しない

 

トリガー」タブから「新規」をクリック。

 

ここで、バックアップするスケジュールを設定します。ここでは毎日 21 時に実行するように設定する手順です。「毎日」を選択して開始の時間に「21:00:00」と入力して「OK」をクリック。

 

操作」タブから「新規」をクリック。

 

プログラムに「robocopy」と入力し、引数の追加のところに「“E:\Photos” “F:\Photos” /MIR /R:1 /W:1」と入力して「OK」をクリックで設定は完了です。

私の場合は実際には複数のフォルダをバックアップするので、上記のように直接コマンドは書かずに、バッチファイルを作成して、タスクスケジューラではバッチファイルを指定しています。

Amazon Photos へのバックアップ

バックアップ構成としては、自宅内だけでも完結はしてるんだけど、自宅外へのバックアップとして Amazon Photos へバックアップしてます。

クラウド系の写真アップロード先としては「Google ドライブ」「Googleフォト」「OneDrive」とかがあるけど、大量の写真をアップロードしようとすると追加コストも掛かるし以下の理由で Amazon Photos にしてます。

Amazon プライム会員であれば追加コスト無し

Amazon プライム年間費 4,900円(税込)で Amazonでの買い物時の配送無料だったり Amazon Prime Video が見れたりと色んな特典があるけど、その特典の1つとして、Amazon Photos が利用出来ます。

しかもプライム会員であれば Amazon Photos への写真のアップロードが 容量無制限で利用 出来ます。

Google フォトでも条件を満たせば容量無制限で利用は出来るんだけど、オリジナルファイルのアップロードは無制限の対象外になるので、ミラーレスカメラで撮影した写真のバックアップには向きません。

Google フォトのアップロード設定に「高画質」「元のサイズ」が選べるけど、容量無制限でアップロード出来るのはオリジナルファイルから圧縮されたファイルになっちゃいます。

 

Amazon Photos で Amazon プライム会員の場合にはオリジナルファイルを無制限にアップロード出来ます。今回は PC の写真データのバックアップに使ってますが、スマホに Amazon Photos のアプリを入れておけば、スマホの写真もオリジナルデータを無制限にアップ可能です。

 

そのため、ミラーレス等で撮影したファイルのバックアップとしては Amazon Photos が便利です。

 

Amazon Photos であれば RAW形式も無制限にアップロード可能

Amazon Photos を使っている一番の理由が RAW形式でも無制限にアップロード可能というところ。私の知る限り他社で RAWファイルを無制限アップロードを提供しているところはないです。

本格的な撮影をしてると JPEG だけではなく、RAW形式で撮影することが増えると思いますが、Amazon Photos であれば以下の形式に対応しています。(Amazon ヘルプ

Nikon(NEFファイル)
Canon(CR2ファイル)
ARW(Sony)
CRW(Canon RAW CIFFイメージ)
ORF(Olympus)ファイル
DNGファイル

 

よく見てもらうと分かるんだけど、富士フイルムの RAW形式(.RAF)は正式にはサポートされてません。。ただし、富士フイルムの .RAF ファイルも写真用ファイルとして認識され、無制限でアップロード出来ます。

 

Amazon Photos で富士フイルムの RAW ファイルの取り扱いは難点あり

正式にサポート対象になってないのでしょうがないけど、バックアップした RAWファイルを Webブラウザで見ると以下のように変な色で見えます。なので、Amazon Photos 上で写真を加工したり共有したりする用途には向きません。

そのため、Amazon Photos は、あくまでもバックアップ用途だけで使います。

 

パソコンへの Amazon Backup の導入

まずは、Amazon のサイトの「今すぐダウンロード」からアプリをダウンロードしてインストールします。

 

インストーラーを起動して「インストール」をクリックして、Amazonプライムを契約している Amazon アカウントを入力します。

 

次へ」→「ピクチャ」→「終了」をクリック。

 

デフォルトでユーザーの Pictures フォルダがバックアップ対象になってるので、バックアップ設定を削除 してから「バックアップの追加」をクリックして、バックアップしたいフォルダを選択します。

 

選択したフォルダのバックアップ設定を行います。

項目設定説明
バックアップ中のフォルダー対象のフォルダ選択したバックアップフォルダです。
バックアップ先Amazon Drive 上のパス特に変更を行う必要はありません。
変更のアップロード1時間毎デフォルトは即時だけど、そこまでリアルタイムじゃなくてもいいので私は 1時間毎にしてます。
バックアップ対象写真私は同じフォルダ内に動画データも入れてて、動画データは無制限対象ではないので、アップロードから除外したいので「写真」を選択してます。

 

あとは待っておけば、自動的にバックアップしてくれます。Amazon Drive で見ると、さっき設定したパス内(Backup\[コンピュータ名]\D)にバックアップされてます。

 

最後に

Amazon プライムは年間 4,900円だけど、この Amazon Photos の機能だけでも元は取れる気がするので、写真を趣味にしてて写真のバックアップに悩んでる人は、とりあえず使っておけばいいんじゃないかな?

初回は30日間無料 で使えるので、とりあえず申し込んで使って見るのもあり。ただ無料期間終了後は自動的に有料会員に移行しちゃうので、不要であれば無料期間中に解約をしときましょう。

データを失った時に後悔しても遅いので、今の自宅待機のうちに環境を整えておくのがオススメです。