写真編集にも使うメインPCを AMD Ryzen 7 3700X + Radeon RX 5700 で自作(使ってみた編)

前回の「組み立て編」に引き続き、今回は実際に使ってみての感想などです。新PC のスペックの詳細は前回のエントリーで確認をお願いします。

 

ベンチマーク

ベンチマークの値は Web 上に溢れてるので、SSD のベンチだけを簡単に載せときます。システムドライブ用の M.2 NVMe 接続の SanDisk Extreme PRO SDSSDXPM2-500G-J25 はこんな感じ。

 

写真編集用の Intel SSD 660p SSDPEKNW010T8X1 はこんな感じ。

 

処理スピード

SD カードからの RAWファイルの取り込みスピード

SDカードに記録された RAW ファイルを Lightroom に読み込む場合のテスト。

利用した SDカードは「SanDisk Extreme Pro UHS-II 64GB

 

SDカードリーダーは UHS-II に対応した「Sony MRW-S1

 

CrystalDiskMark での SDカードのベンチ結果はこんな感じ。

 

テストに利用する条件は以下です。

  • X-H1 で撮影した 245枚の RAWファイル
  • RAWファイルの合計容量は 11.4GB、1ファイルあたりの平均は 48MB
  • Lightroom への取り込み時に、プロファイルとして「カメラマッチング」→「PROVIA」を自動適用

 

結果としては、かなり快適に取り込むことが出来ました。このスピードだと SDカードの容量(64GB)フルに使ってても約6分10秒くらいで取り込めることになるのでいい感じ。

項目新 PC
処理スピード約 1分6秒

 

SDカードからの取り込み時の、保存先の Intel SSD 1TB の使用状況を確認すると最大でも 20% は超えることは無いので、かなりの余裕がある。

 

Lightroom への取り込み時はプロファイルの適用とかを行ってるからなのか、そこそこ CPU も使ってます。最大で 50% くらい使ってます。

 

Lightroom での RAWファイルから JPEG 画像の書き出しスピード

次は、Lightroom で RAW ファイルから JPEG 画像を書き出す際の処理スピードの確認。テストに利用する条件は以下です。

  • X-H1 で撮影した 245枚の RAWファイル
  • RAWファイルの合計容量は 11.4GB、1ファイルあたりの平均は 48MB
  • Lightroom での JPEG 書き出し設定は、画質100/リサイズ無し/解像度240
項目新 PC
処理スピード約 3分55秒

 

新PC での書き出し時の CPU と GPU の使用率はこんな感じ。書き出し時は CPU のコアはフルに使えてて GPU は使わないみたい。書き出しの処理を上げたい場合には、CPU コアが多ければ多いほど早くなるみたい。

ただ、大量の JPEG を書き出すのは年に数回あるかどうかなので、どうでもいいかな。。

 

H.265/4K 動画の再生

旧PC は X-T3 で撮影した H.265/4K の動画再生がいっぱいいっぱいで、カクついたり同時に他の処理を行うのは厳しい感じだったけど、新PC ではかなり快適に再生出来るようになりました。ちなみに動画を再生している時の CPU と GPU の使用率はこんな感じ。

 

殆どの処理は GPU でやってるみたい。今回購入した AMD Radeon RX 5700 は H.265 のデコードに対応してるからかな?

 

DaVinci Resolve での H.265/4K ファイルの編集時のリアルタイム再生

旧PC だと DaVinci Resolve で X-T3 で撮影した H.265/4K ファイルを編集中は、カット位置とか編集内容を確認するために再生するのも苦痛な感じで、カットとかが多いときは事前に「最適化メディアを生成」でプロキシファイルを生成してから編集をしてました。

 

新PC だと最適化メディアを生成しなくてもリアルタイムで快適に編集ができました。リアルタイムで再生中の CPU と GPU の使用率はこんな感じ。DaVinci Resolve だと GPU の再生支援は使ってないみたいで、CPU だけが使われてました。今回購入した AMD Ryzen 7 3700X は物理8コアの CPU なので、X-T3 の H.265/4K の編集をする人は、最低でも6コア以上を選んどけば編集は快適に出来ると思います。

 

DaVinci Resolve でのスタビライザー処理速度

DaVinci Resolve の無償版でも利用できる、手振れ補正の処理をテストします。私の野鳥撮影の環境だと三脚は使わずに手持ちで撮っているので、手ブレ補正が強力な XF100-400mm でも動画となると揺れが気になるので、DaVinci Resolve のスタビライザー機能を使うことが多いです。

 

テストに利用する条件は以下です。

  • X-T3 で撮影した H.265形式、4K解像度(3840×2160)、1分53秒の動画
項目新 PC
処理スピード約 1分30秒

 

処理中の CPU と GPU の使用率はこんな感じ。両方とも余裕があるので、処理中でも他のこと(Lightroom での RAW現像とか)をやってても快適に使用できる。

 

DaVinci Resolve での動画書き出しスピード

スタビライザー処理を行ったのと同じ動画ファイルを使用して、以下の形式で書き出す際の処理スピードはこんな感じ。テストに利用する条件は以下です。

  • 書き出し設定: MP4形式、H.264、4K(3840×2160)、29.97fps、最高画質

項目新 PC
処理スピード約 2分44秒

 

処理中の CPU と GPU の使用率はこんな感じ。GPU はほとんど使えてなくて、CPU のみで処理してるみたい。

 

次は、同じ素材を使用してフルHD(1920×1080)での書き出し。

項目新 PC
処理スピード約 1分31秒

フルHD での書き出し時も 4K を書き出してるときと CPU と GPU の使用状況は一緒でした。

 

消費電力

アイドル時

アイドル時の消費電力は約 53 W くらいです。今のメインPC のアイドルは 100W 近く行ってたのでかなりの改善。

Davinci Resolve での動画書き出し時

CPU の使用率(ほぼ100%)が一番上がる Davinci Resolve での動画書き出し時の消費電力は約 170 W  でした。ただ、GPU はあまり使ってないでシステム全体のフルロードではないです。ただ、私の場合には、GPU に負荷がかかることはやらないので、この時が一番消費電力が高い時かな。

 

まとめ

購入する前までは、そこまで変わらないかなと思ってたけど、想像以上に快適になったので 新PC を購入して正解でした。今回の結果から、X-T3 の RAW現像、H.265/4K の動画編集を行う人は以下のスペックがおすすめです。

  • CPU は物理6コア以上
  • メモリは 32GB(使用率を見ると頻繁に 16GB を超えることが多いので 16GB だと不足します)
  • SDカードは UHS-II の高速タイプ(300MB/s)を使用し、SDカードリーダーも UHS-II タイプを使用
  • 写真の取り込み先は HDD ではなく SSD に(Lightroom でのセレクトとかがめっちゃ快適です)