私はまだまだテレワークが続いています。自宅でのテレワーク時にリモート会議をする際のマイクとして、ダイナミックマイクの「AT2040USB」を購入してみたので紹介。
現在は「YAMAHA YVC-200」を快適に利用中
自宅でテレワーク時に利用しているマイクとしては、以下でも紹介した「YAMAHA YVC-200」を使ってます。
この前 Anker のスピーカーフォン(PowerConf)を購入したばかりだけど、テレワーク時のスピーカーフォンの使い勝手が快適過ぎて Anker PowerConf を購入するときに迷っていたヤマハのスピーカーフォン[…]
「YAMAHA YVC-200」は本当に快適に利用出来ていて、周りに音を聞かれてもいい環境の人であればベストバイだと思います。あと、そこそこコンパクトなので、外出先にも持って行って快適に利用出来ます。外出先で活用できるシーンとしては、その場で数人が打ち合わせに参加してて、残りの人はリモートから参加しているハイブリット型の時です。
各会議室にはスピーカーフォンが設置されているので問題ないですが、会議室以外のところを使う必要がある時に便利に使うことが出来ます。スピーカーフォンがない時は、中心に iPhone を置いてスピーカーモードにして対応するかなと思いますが、iPhone は複数人での利用は想定されていないと思うので、集音性やスピーカー音量など YVC-200 が圧倒しているので、こういうシーンがある人には本当にオススメです。
ダイナミックマイクを購入した理由
快適に利用出来ている YVC-200 があるのになぜ今回の購入に至ったかというと理由としては「環境に飽きたから」という笑
私の性格的に色んなものを試して見たいという欲求が常にあるので、環境を替えてみようと思い、スピーカーフォン以外でリモート会議を快適にできる環境を作ってみようと思いました。
ただ、スピーカーフォンの YVC-200 が快適過ぎて、正直使い勝手的には最終形かなと思っているので、今よりも快適になることはないなとは思ってるんだけど、以下の点を考慮し選んでみました。
- ダイナミック型であること(マイク周辺の音だけを集音したい)
- YVC-200 よりもマイク性能が高音質であること
- マイクに物理ミュートボタンが付いていること(ウェブ会議ソフトにミュートはあるけど、マイク側にミュートが付いていると安心できる)
- USB 接続で利用できること(別途オーディオインターフェースを準備したくないため)
- 見た目がカッコいいこと(かなり重要)
- 可能であれば、リモート会議時にスピーカーから音を出しつつ利用できること(体への負荷軽減のためイヤホン、ヘッドホンは使いたくないため)
①~⑤ については選択肢はあるかなと思うけど、⑥ に関しては実際に自分の環境で試してみないと分からないというのが難しいところ。。⑥ に関しては最悪出来ない前提で検討を進めました。ハウリングが厳しくて利用できない場合には相手の声はイヤホンで聞こうかなと思います。
マイクの種類
マイクの種類としては、主に「コンデンサー型」と「ダイナミック型」がありますが、私の使い方的には「ダイナミック型」が最適だと思うので、ダイナミックマイクから選択しました。
「コンデンサー型」は感度が高く細かなニュアンスまで集音することができますが、環境音も拾ってしまうため、自宅での利用には向いていないと思います。特に、リモート会議では自分の声のみ聞かせて、周囲の音を入れたくないので「ダイナミック型」の特性がバッチリかなと。
良くライブとかでも使われている「SHURE SM58」もダイナミック型のマイクです。ライブとかの大きな音が鳴っている環境でも、マイク周辺の音のみを集音する特性のため、歌っている人の音だけを集音出来ているのがダイナミック型の特徴としてわかりやすいかなと思います。
コンデンサーマイクの利用用途しては、スタジオみたいに防音設備がしっかりしてて歌っている人以外の音をコントロール出来る環境であれば、向いていると思いますが、自宅では生活音を消すことが出来ないため「ダイナミックマイク」から選びました。
ダイナミックマイクの選択肢
私の利用用途に合いそうなのは以下でした。
項目 | SHURE MV7 | オーディオテクニカ AT2040USB | FIFINE K688 |
実売価格 | 約 30,000 円 | 約 17,000 円 | 約 10,000 円 |
型式 | ダイナミック型 | ||
指向特性 | カーディオイド | ハイパーカーディオイド | カーディオイド |
周波数特性 | 50 Hz~16,000 Hz | 80~16,000Hz | 70~15,000Hz |
出力コネクター(USB) | Micro USB | USB Type-C | |
出力コネクター(XLR) | ◎ | - | ◎ |
ヘッドホン出力端子 | 3.5 mm | ||
ヘッドホン音量調整 | ◎ | ◎ | ◎ |
ミキサー調整 | ◎ | ◎ | - |
ミュート | ◎ | ||
ローカット | ◎ | ◎ | - |
DSPモード | Near/Far/Dark/Natural/Bright | - | - |
コンプレッサー | ◎ | - | - |
ポップフィルター | - | 内蔵 | - |
質量 | 約 550 g | 約 600 g | 約 580 g |
定番なのは SHURE MV7 だけど、値段が高いのと、なぜに今どき Micro USB 端子なのかっていうところに引っかかって選択肢から外しました。あとは、AT2040USB か FIFINE K688 の選択になりますが、見た目的に「AT2040USB」が好みという理由だけで「AT2040USB」を選びました笑
あと、ローカット機能があるのとミキサー機能があるもいいなと思って決めました。
オーディオテクニカ AT2040USB
AT2040USB の開封
外箱はこんな感じ。
内容物は以下でした。
- AT2040USB本体
- USBケーブル(Type-C to Type-A)
- USB変換アダプタ(Type-A to Type-C)
- 変換ネジ
デフォルトだと変換ネジが装着されていない状態。
変換ネジを装着するとこんな感じ。
持つと程よい重量感もあり金属製で質感も高くて高級感があって所有欲を満たしてくれる感じです。めっちゃカッコいい!
パソコンとは USB ケーブルで接続
こういうマイクって一般的には XLR 接続となり別途オーディオインターフェースが必要になるけど、AT2040USB は USB 接続のみとなるため、パソコンとは USB ケーブルで接続するだけです。付属のケーブルは Type-C to Type-A ケーブルだけど、Type-A から Type-C への変換アダプタも同梱されているので、パソコン側が Type-C のみであっても対応可能です。
とりあえずマイクスタンドで利用
ダイナミックマイクはマイクと口元の距離感が重要です。近ければ近いほど高音質になるし音量も確保出来るので出来るだけ口元に近づける必要があり、基本的にはマイクアームを使うことになりますが、AT2040USB の使い勝手がイマイチで使わなくなった場合を考えて、一旦マイクアームは購入せずに安価なマイクスタンドを購入してみました。
購入したのはできるだけ安くて見た目がシンプルなものを選びました。
レビューにあったとおりネジ部分が錆びてるな笑 まぁ、組み立てたらわからないから問題なし。
実際にデスクに設置するとこんな感じ。テレワーク中はキーボードとマウスを頻繁に使うため、邪魔にならない位置だとこの位置になったんですが、ここだと口元からの距離が 30~40cm となりイマイチかなと思うので、机から浮かすことが出来るマイクアームは必須ですね。
あと、キーボードの真横に置いてるのでキータッチ音はもちろんだけど、キー入力時の机からの振動も拾うのでキーボードを使うならマイクアームは必須です。
ミュートボタンはタッチ式
マイク本体にミュートボタンが搭載されておりタッチ式になっているので、オン/オフ切替時に音が出ないので集音には影響がないのが良いです。なお、集音している時はこんな感じで青色になってます。
ミュートにしている時は赤色になるので分かりやすくて良い。
物理スイッチ類
物理スイッチ類は背面に纏められています。物理スイッチは以下です。
- ヘッドホン出力端子(3.5mm)
- ヘッドホン音量調整ダイヤル
- ローカットスイッチ
- USB Type-C 端子
- ミキサー調整ダイヤル
AT2040USB の魅力の1つであるマイク本体にローカット機能がついてるのがいいですね。説明書に以下の説明があるとおり会議中に邪魔になる音声をカット出来るので私はオンで使用してます。
本製品では低域の環境ノイズ(足音、空調のノイズなど)や部屋の反響音、機械の振動をできるだけ拾わないように設定できます。設定するにはローカットスイッチをONにします。
ヘッドホン端子からは、マイクで集音している音のモニタリングとパソコンで再生している音を同時に聞くことが出来ます。出力バランスについては「ミキサー調整ダイヤル」で設定可能です。ただ、ダイヤルにメモリがついてなくて、どのくらいのバランスになっているか把握することが出来ないのがイマイチかな?
Windows からはマイクとヘッドホンとして認識
AT2040USB とパソコンは USB ケーブルで接続しているだけあって、Windows からはマイクとヘッドホンとして認識されてました。
そのため、パソコンの音声をマイクのヘッドホン端子から聞きたい場合には、パソコン側の再生機器として「ヘッドホン AT2040USB」を選択しておく必要があります。
マイクの音量設定はパソコン側で適正音量に設定
マイク側にはゲイン設定がないので、マイク音量についてはパソコン側で行う必要があります。デフォルトだと「74」で認識されてましたが、色々試したところ私の環境では「85」くらいがいい感じでした。ここは環境だったり声量によっても適正値は違うと思うので、色々試して設定した方がいいと思います。
私の使い方だと、マイクと口元の距離は20cmくらいです。10cm 以内にすればデフォルトの「74」でもちょうどいいかも。
最大 24bit/96kHz に対応
マイクのサンプリングレートとしては最大24bit/96kHzに対応してます。Windows に認識された時はデフォルトで「24bit/48kHz」が選択されているので、最大にしたい人は手動で変更が必要です。私はデフォルトの「24bit/48kHz」のまま使ってます。
ショックマウント/ポップフィルター内蔵
AT2040USB は簡易的ですがショックマウントが搭載されてます。カバーを外してみてみると、根本の部分がゴム製?になってて振動を吸収する仕組みのようです。ただ、しっかりと制御したい場合に別途ショックマウントは購入した方がいいかなと思います。
カバーの内側にスポンジが貼られており、ボップノイズを軽減しているようです。
マイク音質は向上したのか?
で、肝心の音質についてですが、、、「めっちゃクリア!」っていうのが聴き比べたときの初めの感想です。
YVC-200 についてもオンライ会議をするということであれば、まったく不満のない音質だったけど、聴き比べて見ると圧倒的に「AT2040USB」がクリアで透き通った音質ですね。まぁ、本体から離れた(約2m以内)多人数の音を集音する目的のスピーカーホン(YVC-200)と1人の音を近く(約20cm以内)でしっかりと集音する目的の AT2040USB だと根本的に作りが違うので当たり前といえば当たり前だけど、思った以上に違うな。
スピーカーから音を出して利用出来たのか?
後方に配置したスピーカーからの音は拾うのか?
AT2040USB に限らずダイナミックマイクを使用して、リモート会議の音声をスピーカーから出して利用出来るかについて触れているレビューはほぼありませんでした(基本的にはみんなイヤホンかヘッドホンの使用が前提のためテストもしてないみたい)。
スピーカーから音を出してもハウリングしない場合には、会議中にイヤホンやヘッドホンを装着せずに済み、体への負担がまったく掛からないので、快適にリモート会議を行う上ですごく大事な要素です。
試した結果としてはダメでした。。自分が話している声よりもかなり小さく入力(1/4程度?)されるけど、うっすらと音を拾っちゃいますね。ちなみに、マイクと口/スピーカーの距離感は以下でした。
- 口はマイクの正面約 15cm ~ 20cm で利用
- スピーカーはマイクの斜め後ろ約 70cm に配置
AT2040USB は単一指向性(ハイパーカーディオイド)型なので正面にある口からの音をメインに集音してくれますが、70cm 後方だと若干拾う形となりました。ちなみに説明書に載っている指向特性は以下でした。
NVIDIA BROADCAST を使用すればスピーカーでの利用が可能!(条件あり)
ダイナミックマイクだけあって、斜め後ろに配置したスピーカーの音はガッツリとではなく薄っすらと拾っているだけなので、ノイズ除去をうまくやれば使えるレベルだなと考えました。
各ウェブ会議ソフト(Teams、Zoom等)については、ソフト自身にノイズキャンセル機能が搭載されているけど性能にバラツキがあると思うので、安心して使うことは出来ないかなと思ってて、この状態だとソフトによってはハウリングしちゃうなと思い、スピーカーでの利用は難しいなと判断してました。
ただ、前から気になっていた NVIDIA のグラフィックカードを使用したノイズキャンセル処理が可能な「NVIDIA BROADCAST」を使ってみたところ、スピーカーから出している音を綺麗に除去してくれました!
「NVIDIA BROADCAST」の利用は簡単でインストール後に設定画面から「マイクソース」として対象の「マイク (AT2040USB)」を選んで、エフェクトでノイズ除去を有効化するだけです。エフェクトとして「ルームエコー除去」もあるので、部屋の反響が多い人は処理を追加することも可能です。
NVIDIA BROADCAST をインストールすると録音デバイスのところに仮想マイクとして「マイク NVIDIA Broadcast」が表示されるので、ウェブ会議ソフトの利用マイクとして、「マイク NVIDIA Broadcast」を選択することで、ノイズ除去が行われた音声を利用することが可能です。ノイズ処理も GPU で行われるため CPU に負荷がないのもいいところ。
嬉しい誤算としては、キー入力音やマウスクリック音も綺麗に除去してくれたので、リモート会議中での利用は必須の機能でした。NVIDIA の GPU を使っている人であればオススメのソフトです。
ただ、1点注意が必要で、スピーカーから出す音量には注意が必要です。AT2040USB が指向性が高いと言っても、スピーカーから出力する音量が大きすぎるとノイズ除去を行っても音を拾ってしまいます。困る環境としては、リモート会議相手が複数の場合には、それぞれの声の音量が違って1人だけ大きめの人がいると音を拾ってしまうため、スピーカーから音を出しての利用はちょっと不安が残る感じです。
ハウリングのことを心配しないためには、イヤホンかヘッドホンは使ったほうがいいかもしれません。
2024年1月13日追記
確実にハウリングを起こさないために、装着負担の少ないインナーイヤー型のワイヤレスイヤホンを導入しました。
インナーイヤー型の完全ワイヤレスイヤホンとなる「SOUNDPEATS Air4」を購入して凄く良かったので紹介。Apple AirPods(第3世代)の約1/3の価格はコスパは最高なので、インナーイヤー型のイヤホンを検討している人には凄くい[…]
iPhone 15 Pro Max でも利用可能
私は利用予定はありませんが、USB Type-C 接続が可能なので、iPhone 15 Pro Max で使えるかを確認してみました。
問題なく認識してくれて利用可能でした。また、ヘッドホンとしても認識しているのでマイクに付いている 3.5mm ジャックで iPhone の音も聞くことが可能でした。
最後に
想像していたよりも高音質だったし、スピーカーを利用したままリモート会議が行なえ快適に利用出来るようになったので、使い勝手を向上するために早速マイクアームも追加購入しちゃいました。マイクアームが届いて使用感を確認したらまた書きたいと思います。
2024/01/08追記
ロープロファイルのマイクアームを購入し、快適に利用出来るようになりました!
この前購入したオーディオテクニカのダイナミックマイク「AT2040USB」用にマイクアームとして「FIFINE BM88」を購入して、めちゃくちゃ良かったので紹介。ロープロファイルのマイクアームの定番は Elgato Wave […]