富士フイルムのミラーレスカメラで、Canon EF400mm F5.6L USM を使ったレビューです。Canon のカメラは持ってないので、Canon で使おうと思っている人には参考にはならないかもしれません。
前提
カメラボディー
今回レビューする EF400mm F5.6L USM は Canon EFマウントのレンズですが、私は Canon の一眼レフは持ってないので、富士フイルムのミラーレスカメラに以下のエントリーでも書いた Fringer EF-FX PRO II(FR-FX2) という電子マウントアダプターを使った場合のレビューです。
撮影対象
このレンズで撮影するのは、野鳥(主にカワセミ)がメインですが、動物とか花の撮影にも使ってます。
Canon EF400mm F5.6L USM について
外観
外観に関しては、以下のエントリーで書いたカモフラージュテープを付けた時に載せているので、そっちを参照ください。
上記のエントリーだと XF100-400mm との比較は載せて無かったので、比較だけ載せときます。XF100-400mm は一番縮めた状態だとコンパクトに出来る。XF100-400mm だとカメラボディーに付けた状態でもカメラバックに入るけど、EF400mm F5.6L USM は長いのでカメラボディーに付けるとカメラバックに入らないのがちょっと面倒なところ。
テレ端にすると大体同じくらい。
既に販売終了
このレンズは、1993年5月から発売され、つい最近まで現役で発売されていたレンズですが、 2019年2月に販売終了となった 26年間も販売されてた息の長いレンズです。
もう新品では購入出来ないので、今後は中古での購入となります。発売開始時期を考えてもらうと分かりますが、中古を買う時は発売時期にバラつきが大きいので製造時期を確認した方がいいです。
製造時期については、マウント部分にある U から始まる「アルファベット2桁」+「数字4桁」の記載があるので、アルファベットの2桁目の文字で製造年が分かるようです。調べた感じだと以下のように、1年ごとに2文字目が1つずつ大きくなっているようです。Z まで使い切った後は A に戻ったみたいです。
- UY(数字4桁): 2010年製
- UZ(数字4桁): 2011年製
- UA(数字4桁): 2012年製
- UB(数字4桁): 2013年製
- UC(数字4桁): 2014年製
- UD(数字4桁): 2015年製
- UE(数字4桁): 2016年製
- UF(数字4桁): 2017年製
私が購入したものは、UD から始まっていたので 2015年製でした。
スペック
富士フイルム純正の XF100-400mm と比較してみます。
項目 | Canon EF400mm F5.6L USM | Fujinon XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR |
焦点距離 | 400mm | 100-400mm |
レンズ構成 | 6群 7枚 | 14群 21枚 |
最小絞り | F32 | F22 |
最短撮影距離 | 3.5 m | 1.75 m |
最大撮影倍率 | 0.12 倍 | 0.19 倍 |
AF 駆動 | リングUSM | リニアモーター |
フィルター径 | 77mm | |
質量 | 約 1,250 g | 約 1,375 g |
手振れ補正 | なし | あり(5.0 段分) |
気に入っている点
単焦点ならではの高画質
カメラの小さい背面液晶で見ただけで綺麗ってなるくらい写りがいい。例えば、この写真。
上の写真の真ん中の部分をトリミングして拡大するとこんな感じで、羽の一本一本まで解像してる。ピントは、一番手前の羽あたりに来てるので、目の部分にはピントは来てません。
軽量
富士純正の XF100-400mm は 約 1,375g で、このレンズは 約 1,250g なので約 125g 軽いです。野鳥撮影を数時間行うとなると、このくらいの小さな差でも結構差を感じます。
XF100-400mm はズームレンズなので便利だけど、野鳥撮影に限って言えば、400mm しか使わないので少しでも軽いこのレンズの方がいいです。
値段が安い
もう中古でしか買えないけど、中古相場は約7万円なので、かなりコスパのいいレンズ。マウントアダプターが約4.5万円くらいなので合わせて約11.5万円で純正の XF100-400mm は 約20万円 なので野鳥撮影だけを考えるといい感じ。
ただ、さっきも書いたけど発売期間が長いので、中古で安くても状態は確認した方がいいと思います。下手すると 最大で 26年物 の可能性もあるので。。
マウントアダプター経由でも AF スピードは快適
アダプターを使ってるけど、富士純正のレンズを使うのと遜色なく違和感なく使えて快適です。
イマイチな点
手振れ補正が無い
このレンズの唯一と言っていい欠点となるのが、手振れ補正が付いていないところ。私が使っている X-H1 はボディー内手振れ補正があるから問題ないかなと思っていたけど、電子マウントアダプターの Fringer EF-FX PRO II を使うと 100mm 以上の焦点距離のボディー内手振れ補正が無いに等しいくらいの効きになるのが残念。
電子接点が付いていないマウントアダプターで Nikon Fマウントの Tamron 180mm Macro を使う時はボディー内手振れ補正は抜群に効くから、X-H1 のボディー内手振れ補正の性能というよりも Fringer との相性な気がする。
これは私の感だけど、Fringer としては富士純正レンズとしてボディーに見せかけて正常に動作させようとしているけど、富士純正のレンズで手振れ補正の付いてないレンズで一番長いのが XF90mm だから 100mm 以上になると効きが悪いんじゃないかなと予想。
最短撮影距離が長い
このレンズの最短撮影距離は 3.5m です。なので、野鳥撮影だけを考えるとあまり影響はないけど、花の撮影とか動物の撮影などに使うにはかなり不便です。ピントを合わせようとすると頻繁に最短撮影距離の範囲内に入ってしまい、一歩下がってから撮ることが多いです。
せめて、あと1m くらい短ければ使い勝手がいいんだけどなー
絞ってると AF-C の動作が変?
開放の時は AF-C でもスムーズに動くけど、絞った時の動作がうまく行かない感じです。まぁ、私の場合には AF-C を使うことはないのでまったく気にならないけど、AF-C を多様して絞って使う人は選択しない方がいいです。
ピント位置を覚えてくれない
これは、富士フイルムのボディー + Fringer で使う時限定になるけど、富士フイルム純正のレンズであれば電源の On/Off を行っても、前回のピント位置を覚えててくれてて、電源を On にすると自動的に前回のピント位置にしてくれます。
この機能のお陰で、あまり動かない鳥とかを撮る時に電源を Off にて待機してて、再度撮影を行う場合でもスムーズに撮影に移ることが出来るけど、Fringer 経由で使うとピント位置を覚えててくれないので、電源を入れ直す度にピント合わせを行う必要があるのでちょっと面倒です。
動画撮影には三脚とビデオ雲台が必須
富士純正の XF100-400mm は手振れ補正が強力なので、手持ちでもなんとか動画が使い物になるけど、この EF400mm F5.6L USM だと手持ちだと、まったく使い物にならないくらいブレます。あと一脚も使ってみたけど、一脚を使っても使い物にならないくらい画面が揺れるので、このレンズを使って動作撮影する場合には三脚とビデオ雲台が必須になると思います。
作例
まとめ
手ブレ補正が無いとか最短撮影距離が長いとか、快適に使うのに重要な部分が欠けてるけど、それを補っても余りあるくらい画質が飛び抜けてる。富士フイルム純正の XF100-400mm と比べるとはっきりと分かるくらい解像力が違います。
なので画質に拘る人は、この Canon EF400mm F5.6L USM はいい選択肢になると思います。