FUJIFILM X-T3 には「プリ撮影ES」という機能が搭載されたので、野鳥の飛び出しの撮影に利用してみました。
「プリ撮影ES」とは
富士フイルム公式の X-T3 の説明書のページの説明は以下のようになってます。
シャッターボタンを全押ししてから撮影画像がメモリーカードに記録されるまでのタイムラグを抑えるために、シャッターボタンを半押しした時から電子シャッターによる撮影を開始し、全押し直前の画像から連写した画像をメモリーカードに記録します。
通常の撮影では、野鳥の飛び出しの瞬間を撮るのは不可能に近いです。野鳥はノーモーションで飛び立つので、飛ぶと分かってシャッターを切っても、切った時にはフレームから外れています。
特にカワセミは、枝に止まっている時間が長いので適当にシャッターを切るわけにも行きません。
そこで、この「プリ撮影ES」を使うことで、野鳥の飛び出しの瞬間を撮影出来るか確認。
「プリ撮影ES」を使うためのカメラ設定
プリ撮影ES を使うためのカメラの設定は以下の3点。
設定項目 | 設定値 | 説明 |
ドライブダイヤル | CH | プリ撮影ES が動作するのは CH(高速連写)のみで、CL、S では動作しません。 |
プレ撮影ES | ON | |
シャッター方式 | ES (電子シャッター) | プリ撮影ES が動作するのは電子シャッターのみで、メカニカルシャッターでは動作しません。 |
シャッター全押し前のどのくらい遡って記録される?
まずは、本番投入の前に「プリ撮影ES」だとどの程度遡って記録されるかを確認。時計の秒針を撮影して確認した感じでは、全押する前の 1秒弱 が記録されました。
野鳥の飛び出しの瞬間は撮れた?
簡単に撮れました!
こんな瞬間はこれまでは偶然撮れる感じでしたが、プリ撮影ES を使えば狙って撮れます。
ちょいピントを外してますが。。
向きを変える瞬間も簡単に撮影。
ついでにシジュウカラも。シジュウカラも動きが速い鳥ですが、納めることが出来ました。
ちなみに、カワセミの飛び出しの速さを知ってもらうために、10fps の設定で連続4枚を間引きなく載せます。連続で4枚なので、約 0.4 秒間の出来事です。
1枚目は普通の体勢。
2枚目(0.1秒後)は、獲物を見つけたのか体勢を変えます。
3枚目(0.2秒後)は、飛び込み体勢に入ってます。
4枚目(0.3秒後)には、フレームから外れます。実際にシャッターを全押してるのは、このくらいのタイミングだったと思います。
というように、1枚目の何もない状態からフレームから外れるまでが約 0.4 秒なので、飛び出すと分かってシャッターを切っても納めるのは難しいですが、「プリ撮影ES」を使えば、簡単に撮ることが出来ました。
「プリ撮影ES」の欠点
撮影枚数が大量になること!
この機能を使う時は、高速連写の設定が必須なので1シーンで最低でも 10枚 は撮れて、ちょっと長めに連写すると 20枚 くらいになっちゃいます。
X-T3 は RAW形式 で撮ると 1枚 あたり 約55MB なのでシャッターを切るたびに最低でも 550MB はデータが消費されるので、これまで一回の撮影で使い切ったことが無い 64GB の SDカードも使い切っちゃって、2枚目を使うことになって合計で 1,253枚の撮影になってしまいました。。
撮影枚数が多くなると、PC への取り込みも時間が掛かるし写真のセレクトにも時間が掛かるので毎回は使えないかな。
止まりものの野鳥撮影に関しては、以下のエントリーにまとめています。