富士フイルムの大三元の一角の「XF16-55mmF2.8 R LM WR」のレビューです。
富士フイルムの大三元
富士フイルムの大三元(F2.8通しのズームレンズ)としては、以下がラインナップされてます。
今回のレビュー対象の XF16-55mm は、標準域を担うレンズとなります。
大三元に共通している、開放 F2.8/防塵・防滴・-10℃耐低温構造/リニアモーター の採用により、快適な撮影を提供してくれます。そのかわり、Xシリーズとしては大きく重めとなります。
望遠側を担う XF50-140mm に関しては、以下にレビューを書いてますので、良ければどうぞ。
2017年12月購入してから長期間使用したので「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」のレビューです。XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR についてスペックシートまずは、スペックシートで簡[…]
XF16-55mmF2.8 R LM WR について
スペックシート
富士フイルムからリリースされている標準域のズームレンズと比較してみました。
項目 | XF16-55mm | XF16-80mm | XF18-55mm | XC15-45mm |
価格 (2020/5時点) | 約 11.5 万円 | 約 9 万円 | 約 5.8 万円 | 約 3.3 万円 |
焦点距離 | 16-55mm | 16-80mm | 18-55mm | 15-45mm |
レンズ構成 | 12群17枚 (非球面レンズ3枚、異常分散レンズ3枚) | 12群16枚 (非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚) | 10群14枚 (非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚) | 9群10枚 (非球面レンズ 3枚、EDレンズ2枚) |
開放絞り | F2.8 | F4.0 | F2.8 – F4.0 | F3.5 – 5.6 |
最小絞り | F22 | |||
絞り形式 | 9枚(円形絞り) | 7枚(円形絞り) | ||
最大撮影倍率 | 0.16 倍(テレ端) | 0.25(テレ端) | 0.15倍(テレ端) | 0.24倍(ワイド側) |
外形寸法 | ø83.3mm×106.0mm | φ78.3mm x 88.9mm | ø65.0mm×70.4mm | Φ62.6mm x44.2mm |
質量 | 655 g | 440 g | 310 g | 135 g |
フィルターサイズ | ø77mm | ø72mm | ø58mm | ø52mm |
手振れ補正 | - | 6.0 段分 | 3.5 段分 | 3.0 段分 |
防塵防滴 | ◎ | - |
比較してみると、値段と重量が綺麗にちょっとずつ上がってる笑
私が XF16-55mm を購入した時は XF16-80mm F4 は発売されてなかったので迷わず XF16-55mm F2.8 を買ったけど、XF16-80mm って凄くバランスのいいレンズだよなー
標準ズームレンズは XF16-80mm F4 だけ持ってなくて使い勝手とか写りの正しいところは分からないんだけど、ウェブ上にアップされている作例を見る限り写りはいい感じ。
ちなみに私が作例の参考にするのは flickr で確認することが多いです。海外の人は画像調整をやり過ぎなことも多いけど、調整すればどこまでの画質に持っていけるかの判断も出来ます。これまで flickr で判断しつつレンズを買った結果としては同じような評価になることが多いです。
外観
1点注意点ですが、ズームリングとピントリングにパーマセルを巻いてるので、標準の外観とは違います。
質感は凄くいいと思う。絞りリングのクリック感もいい感じです。
テレ端にしたところ。インナーズームではないけど、伸ばしてもフォルムは悪くない。
富士フイルムの標準域のズームレンズを並べたてみました。左から XF18-55mm、XF16-55mm、XC15-45mm になりますが、やっぱり XF16-55mm はデカい!
安定した画質/耐逆光性
このレンズを使うのは風景撮影の時がメインなんだけど、風景撮影は逆光での撮影も多いけど強い光源を入れても、ゴーストなどはほぼ出ることは無いし、画質低下も目立ちません。
例えば、こんな感じの海辺の強い日差しを入れても大丈夫。(太陽の上にちょっとだけゴーストは出てます。)
夜景を撮るときもゴーストを気を付けるけど、まったく気にならない。
防塵防滴の安心感
風景の撮影では水滴とか飛んでることもあるので、正式に防塵防滴を謳われているので安心して撮影に使うことが出来るのがいい。とは言っても、これまでガッツリと濡らしたことはないです・・・
ズームリングが程よい重さ
ズームする時の動作がスムーズで凄く使いやすいです。キットレンズで付いている XF18-55mm とかの方が重たく感じて XF16-55mm の方は気持ちよく動きます。
趣味でも買えるレベルの金額と重さ
他社のフルサイズ用の 24-70mm F2.8 に比べると大きさも小さく軽いし、金額も手を出しやすいので趣味で使うには、やっぱり富士フイルムってバランスがいいと思う。
項目 | 富士フイルム | Nikon | SONY |
レンズ | XF16-55mmF2.8 | Z 24-70mm f/2.8 S | FE 24-70mm F2.8 GM |
価格(2020/5時点) | 約 11.5 万円 | 約 24.4 万円 | 約 25 万円 |
レンズ構成 | 12群17枚(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ3枚) | 15群17枚(EDレンズ2 枚、非球面レンズ4 枚) | 13群18枚 |
最大撮影倍率 | 0.16 倍 | 約 0.22倍 | 0.24 倍 |
外形寸法 | ø83.3mm×106.0mm | ø89mm×126.0mm | ø87.6mm×136.0mm |
質量 | 655 g | 805 g | 886 g |
フィルターサイズ | ø77mm | ø82mm | ø82mm |
手振れ補正 | - | - | - |
防塵防滴 | ◎ | ◎ | ◎ |
写りに感動はない
大三元だけあって画質とか逆光耐性とかには不満はないけど、レビューとかでよく見る単焦点と同等の写りって書いてるところもあるけど、富士の単焦点はハマると「おっ!」という写真が撮れるけど、このレンズだとそういうのがあまりないかな。。
XF16-55mm を買う前は XF18-55mm を使ってたけど、初めて撮影した画像を PC で確認した時の感想は「あれ? 違いはない?」でした。ただ、気に入っている点にも書いてるけど、環境が厳しく(逆光とか)なるほど違いは感じるので、買って損は無いとは思います。
ちなみに XC15-45mm はビックリするくらい逆光だと画質が低下します・・・
合わせて使うカメラボディーを選ぶ
これはよく言われてる事だけど、このレンズは Xマウントの中ではかなり重い(655g)ので、ボディーサイズの小さいカメラに装着して使うのはかなりキツイです。購入当初は X-T20 との組み合わせでも使ってたけどバランスが悪くて使いづらかったです。
X-T3 のボディーでもグリップを付けずに使うのは、ちょっと厳しいです。私は三脚も使うことが多いので X-T3 にはアルカスイス互換の L型ブラケットを付けているので、それでやっと使えるレベルかな。
これも良く言われてるけど、X-H1 とのバランスは抜群!
この組み合わせだとホントに疲れないし、ボディー内手振れ補正のお陰で凄く快適に撮影が出来て、XF16-55mm を使うなら X-H1 がほんとにおススメ!
あと、写真にも写ってるけど、この組み合わせの時は、ピークデザインの「クラッチ CL-3」というのを使ってます。この組み合わせは、ブレも抑えられるし持つのも楽になるのでおススメです。(ちなみにですが X-T3 はシャッターボタンの位置がストラップのすぐ近くにあるので使えません。)
動画への対応
私は殆ど動画を撮ることはないのでガッツリは使ってませんが、動画時の AF-C 利用時は AF 駆動音もなくてピント合わせも早くて快適です。XF18-55mm と比べても体感で AF-C のスピードは早いです。
それに開放F値が 2.8固定なのでズームしても露出が変わることがないので使い勝手はいいと思います。
作例
作例はすべて風景になってます。やっぱり重たいので日常的に持ち出すことは少なくて、ガチで撮りに行くときに持って行くレンズとなってます。
上の写真と同じ場所から広角側で撮ってるところです。1本でここまでの絵を撮れるので風景撮影には欠かせない。
風景撮影をメインにする人は、買って損はないレンズだと思います。