【初心者向け】小動物を魅力的に撮影する方法(作例はシマリス)

以下のエントリーでも書いてるシマリスの撮影など小動物を撮影する際のポイントなどを紹介したいと思います。

X-T3, EF400mm F5.6L USM

機材選び

カメラボディーはなんでも OK かな?

カメラボディーに関しては、今どき(2~3年以内に発売を目安)のカメラであればなんでも大丈夫かな。ただ、後半の RAW現像で富士フイルムのフィルムシミュレーションをベースにやるから、理想は富士フイルムの ETERNA を搭載してる機種がいい。

ただ、富士フイルムでも X-H1 以降の機種しか ETERNA は搭載してないので、対象となるのは、X-T30・X-T3・X-H1 になります。

 

望遠レンズは必須

動物の撮影には望遠レンズが必須です。

・近寄れないので望遠レンズで引き寄せて撮影
・画角が狭いので背景処理が簡単で被写体を引き立たせられる

富士フイルムだと望遠レンズの選択肢は少なくて、以下の3本のどれか。

 

被写体までの距離が遠い場合には XF100-400mm があると便利。

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X-T20, XF100-400mm

 

富士フイルムでもマウントアダプターを使えば、Canon の EFマウントのレンズも使えるので選択肢は多少増えます。

 

撮影時の考慮

カメラの設定(露出設定)

・被写体ブレしないようにシャッタースピードは 1/500 以上を目安に
・絞りは開放にして背景をボカして印象的に

上記の設定値にするためにはフルオートだと意図的にコントロール出来ないので、「絞り優先モード」か「マニュアルモード」がオススメです。

一眼レフだとマニュアルモードは難しいと思うけど、ミラーレスであればマニュアルにしても EVF で見た明るさのまま撮れるので簡単です。私が動物を撮る時はマニュアルモードにして撮りますが、露出を決めるのは以下の3点の設定だけなので、シャッタースピードと絞りは固定に設定して、明るさの調整は ISO感度で行います。

シャッタースピード絞りISO感度
1/500 で固定開放 で固定その場の明るさに合わせて、ISO感度をコマンドダイヤルで調整。

富士フイルムのカメラはデフォルトだと、上面のダイヤルで ISO感度を設定するけど、それだと EVF を除きながらの調整は難しいので、私は以下のエントリーに書いたフロントコマンドダイヤルで変更出来るようにしています。

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X-T3

 

カメラの設定(オートフォーカス設定)

・ピントは目に合わせる。

オートフォーカス設定は自分が慣れているものであれば何でもいいけど、一番重要なのは目にピントを合わせるということ。目にピントがあっているかどうかで仕上がりが全然違うので重要です。

富士フイルムの 瞳AF は動物に対応してないので、瞳にピンポイントで合わせるために、私はシングルポイントの設定で行ってます。ゾーンとかオートだとフォーカスエリア内の一番手前にピントが合ってしまって動物の場合には瞳よりも鼻とかが手前にあって鼻にピントが合ってしまうので、シングルポイントがオススメです。

カメラの設定(画質設定)

この後で RAW 現像で仕上げるところがあるので、画質設定は RAW にしておきましょう。

 

背景選びは慎重に

撮影を始めると、ついつい被写体に夢中になっちゃうけど、仕上がりのクオリティを上げるのは背景をどう選ぶかが重要になるので、撮影時でも常に背景に注意して撮影を行う必要があります。

・背景は被写体から可能な限り距離が撮れるところを選び、ボケを綺麗にする
・明るい雰囲気の写真に仕上げたい場合には、背景にしっかりと光が当たっているところを選ぶ

白飛び・黒つぶれに気をつける

これも定石だけど、白飛びと黒つぶれをさせないように露出の調整をします。特に白飛びに関して RAW現像の時に嫌な感じになることが多いので気をつけといた方がいいです。

最近のミラーレスカメラだと、リアルタイムでヒストグラムを表示することが出来るので、その機能を有効活用し白飛びをさせないようにさせましょう。この機能が一眼レフとミラーレスの決定的な違いだと思ってます。

富士フイルムの X-H1 や X-T3 では以下から設定出来ます。

セットアップ」→「表示設定」→「画面のカスタマイズ」→「ヒストグラム」にチェックを入れる。

 

ヒストグラムの見方としては、左端が暗い部分で右端が明るい部分です。なので、適正露出だと山が中央に来て、両サイドに山が係らないようにしましょう。

上記のヒストグラムの写真だとこんな感じ。

 

 

RAW現像

撮影したのものをそのまま使ってもいい色が出るのが富士フイルムの利点でもあるけど、RAW現像することによって、より一層自分の好みに仕上げる事が出来ます。

今回は、撮影時はこんな感じの写真を(RAW現像を前提に撮影しているのでちょっと暗めに撮ってます。)

 

このエントリーのトップにも記載しているこんな感じの写真に仕上げる方法を記載します。

X-T3, EF400mm F5.6L USM

 

RAW現像環境

RAW現像は、各カメラに付属している無償のソフトから有料のソフトまで色々ありますが、私は Adobe Lightroom Classic を昔から使ってて、使い慣れているので今回は Lightroom Classic を使った手順を記載します。

Lightroom は有償のソフトだけど、使い勝手もいいので写真を趣味にしているなら購入して損はないと思います。私は「フォトプラン」という、Lightroom/Lightroom Classic/Photoshop が月額980円(税別) で使えるプランに加入してます。

 

Lightroom だと RAW現像でもフィルムシミュレーション相当を適用出来る

Lightroom は、富士フイルムのフィルムシミュレーション相当のプロファイルが使えるので、RAW 現像で自分好みに現像する場合でも、フィルムシミュレーションをベースに修正が出来るので魅力的な色を出すのが簡単です。

ということで、まずはフィルムシュミレーション相当のプロファイルを適用します。私の最近の好みは ETERNA なので、まずは「基本補正」パネルの「プロファイル」から「カメラ ETERNA」を選びます。

※Lightroom で適用出来るプロファイルは、撮影したカメラで使えるフィルムシュミレーションだけ使えます。なので、ETERNA を適用出来るのは ETERNA を搭載している X-H1/X-T3/X-T30 だけです。

ETERNA を適用するとこんな感じで、PROVIA に比べるとちょっとだけコントラストが落ちた感じになります。

基本補正パネルで微調整

フィルムシュミレーションをベースにすれば、色味はイジる必要はないので、基本補正パネルで調整出来る基本的な明るさ調整のパラメータだけで調整します。

ここは完全に好みだけど、私の好みとしてはこんな感じにしてます。(各パラメータの値は撮影した写真によって変わるので、あくまでも今回の写真の場合となります)

設定値説明
露光量撮影時はハイライトが白飛びしないように暗めに撮っておいたので、「露光量」で適正露出に戻します。
コントラストETERNA 自体がコントラストが低めだけど、この後に説明するトーンカーブで最終的なコントラストを調整するため、この時点ではちょっとだけコントラストを低くします。
ハイライトハイライトが飽和しないように、マイナス方向にします。
シャドウ状況によってはたまに使うけど、ほぼ使うことはないです。
白レベルちょっとだけプラスにするのが好み。感覚の問題ですが、ちょっとだけプラスにすることで透明感が出る気がしてます。
黒レベルこのパラメータは使うことは無いです。

 

調整結果はこんな感じ。

トーンカーブで最終調整

基本補正パネルの調整だけでも十分なんだけど、ちょっとだけ雰囲気を出すためにトーンカーブで調整します。トーンカーブは、基本補正パネルの下に配置されてます。未調整だとこんな感じで直線になってます。

 

まずは、左端をちょっと持ち上げるのと、右端をちょっと下げます。

するとこんな感じになります。

 

最後に S字カーブを作ってコントラストをあげて好みの感じに調整します。今回の写真では、こんな感じにしてみました。当然、撮影した写真の光の状態などでも変わるので、毎回この値ではないです。

 

すると、最終版はこんな感じになります。

X-T3, EF400mm F5.6L USM

まとめ

撮影する際のちょっとした意識と、RAW現像のちょっとした手間で好みの写真に仕上げることが出来るようになると思うので、これから写真を趣味で始める方とかの参考になれば嬉しいです。