X-T3 を X-S10 に買い換えるか真剣に検討してみた

X-S10 が魅力的なので購入するかどうかを真剣に検討してみた。

2020年11月19日追記

X-T3 を X-S10 に買い替えました。

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前提

まず前提としてですが、現時点では以下の3機種を持ってます。

  1. X-H1(メイン)
  2. X-T3
  3. X-Pro2

 

X-S10 を買う場合には流石に4台持ちはないので、どれか1台を手放して入れ替える事になるんだけど、X-H1 は一番使いやすいので手放すことは無いし、X-Pro2 も唯一無二の存在で手放す事はないので入れ替えるなら X-T3 って事になります。

 

X-S10 の魅力

私的に魅力に感じるのは以下のポイントです。

  1. 軽量コンパクト
  2. ボディー内手ブレ補正搭載
  3. しっかりとしたグリップ
  4. X-Trans CMOS 4 センサーの採用
  5. すべてのフィルムシミュレーションが使える(クラシックネガが使いたい)
  6. 上記を要素を満たして約12万円の販売価格

 

X-T4 が発売されてもボディー内手ブレ補正くらいしか魅力がなくて、バリアングルモニターの採用で買うことはなかったけど、X-S10 は X-T4 に無いコンパクト・しっかりとしたグリップでありながら価格が安くてコスパがいいというのが魅力的なので本気で検討してみる。

 

X-S10 の不安点は妥協出来るか?

魅力がいっぱいの X-S10 だけど、コンパクトにするためと価格を抑えるために、上位機種の X-T3・T4 などに比べて妥協しているところはあります。その部分が問題なければ X-T3 と入れ替えることが出来るので特に気なる部分をあげてみる。

上面ダイヤルがモードダイヤルを採用

操作性に一番直結するのが物理ボタンで、富士フイルムの特徴といったら上面の ISO感度ダイヤル・シャッタースピードダイヤルが配置されているっていうところ。X-S10 は他社と同じようにモードダイヤルの搭載になりました。

引用:https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x-s10/

 

私は以下のエントリーで紹介した上面のダイヤルはほぼ使わずに、コマンドダイヤルで変更する方法を使っていたので、この部分はむしろ歓迎したい。ISOボタンも配置されたので使い勝手は凄く良さそう。

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X-T3

 

あとモードダイヤルにカスタム設定が4つまで登録出来るようようなので、撮影対象ごとに一発で設定が変えられるのでかなり便利そう。これまで X-T3 では物理ダイヤルに依存する設定が多くて、カスタム設定では多くの設定が変えられなくて、X-T20 の頃は活用してたカスタム設定をほとんど使うことが無かったのでこれはいい。

例えばこんな感じ

  1. C1 … カワセミ撮影用設定
  2. C2 … 風景撮影用設定(手持ち前提)
  3. C3 … 三脚を使う時の設定用
  4. C4 … どこかに遊びに行くときのスナップ用設定

 

前面の Fnボタン、AFモードダイヤルが搭載されていない

X-T3 は前面に FnボタンとAFモードダイヤルの変更ダイヤルが搭載されてます。⑭ と ⑰ です。

引用:http://fujifilm-dsc.com/ja/manual/x-t3/about_this_camera/parts/index.html

 

X-S10 はこんな感じで前面にはレンズの取り外しボタンしかない。

引用:https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x-s10/feature-style/

 

AFモードダイヤルは「オートフォーカス」と「マニュアルフォーカス」の切り替えにそこそこ使うので無いのは厳しいけど、どこかの Fnボタンに割り当てられそうな気がするから大丈夫かな。

Fnボタンに関しては X-T3、X-H1 では再生メニューを割り当てて、撮影時に撮影画像の確認をする時に右手だけで完結出来るようにしてるんだけど、この操作が共通化出来なくなるのが厳しい。。

他の Fnボタンに割り当ててもいいんだけど、その場合には X-H1 にも共通しているボタン配置に割り当てないと使い勝手が落ちるので厳しいなー

 

防塵防滴に未対応

流石に防塵防滴には対応してないけど、過酷な環境で使うことはないのでこの部分は妥協出来る。昔 X-T20 を使ってた時は多少の小雨とかで使っても問題なく使えてたのでまぁー通常使いでは大丈夫かなと。

 

バッテリーが従来の NP-W126S を採用

X-T4 では大容量化された新バッテリー(NP-W235)が採用されたけど、X-S10 はコンパクトを重視のため従来と同じ NP-W126S が採用されました。私が使っている X-T3・X-H1・X-Pro2 も同じ NP-W126S が採用されてるけど静止画だけの利用だとバッテリーが足りないなと感じたことはないので、まったく問題なし。

むしろ X-H1・X-Pro2 と共用で使えるから良い。

 

シングルスロット

記録メディアの違いは以下です。

項目X-T3X-S10
スロット数2 スロット1 スロット
SD規格UHS-IIUHS-I

 

所有している機器は全てデュアルスロットなんだけど常にシングルでしか使ってないので、この部分はどうでもいい。規格についても最速ではない UHS-I だけど、X-S10 で連写を多用することはないと思うのでこの部分は問題なし。

 

メカシャッターの性能

メカシャッターについてもコストダウンに反映されやすい部分

項目X-T3X-S10
最高シャッタースピード1 / 80001 / 4000
連写速度約 11 コマ / 秒約 8 コマ / 秒

 

晴天の日に開放付近を使いたい場合には 1/8000 まで対応してると表現の範囲を広がるけど、富士フイルムの場合には電子シャッターで最高 1 / 32000 秒まで対応できるのでそこまで困らない。まぁー、電子シャッターなので動体には積極的に使えないけど、動体をそんなに明るいレンズで撮ることも無いので困ることはないかな。

連写速度に関しては、現状でも X-T3 の設定は連写時は 5コマ/秒 に設定して使ってるくらいで高速連写は必要ないので問題なし。

 

連続撮影枚数

連続撮影可能枚数に関してもコストに直結する部分になるので差があります。

項目X-T3X-S10
非圧縮RAW36 枚18 枚

 

X-T3 の半分の枚数なのでバッファメモリの容量も半分なんだろうな。18枚だと最高速度(8fps)で連写すると約 2.25 秒でバッファフルになって連写速度が落ちることになるから、連写を多用する人はちょっと使い物にならないかな。。

私の場合には連写を多用するのはカワセミくらいだけど、カワセミを撮る時の連写設定は 5fps くらいにして使ってるので、そこまで困ることはないかな。バッファメモリが多いに越したことはないけど、私の使い方では我慢できる範囲。

 

EVF 性能とアイピース形状

ここも使い勝手に大きく関わる部分の EVF性能とアイピース形状。

項目X-T3X-S10
EVF サイズ0.5型有機ELファインダー0.39型有機ELファインダー
EVF 解像度約369万ドット約236万ドット
ファインダー倍率0.75倍0.62倍

 

X-S10 はミドル機としては至って普通の EVF だけど X-T3 とかの上位機種に比べると見劣りしちゃう。前に X-T20 を使ってたから違いはわかるけど、単独で使う分にはそんなに不満は出ないんだけど、上位機の EVF の方が圧倒的に大きくて解像度も高くて見やすいけど、サブ機としては妥協出来るレベルかな。。

あとアイピースの形状もこんな感じで X-T30 や X-T20 とかと同様の形状を継承してます。

引用:https://fujifilm-x.com/ja-jp/products/cameras/x-s10/

 

X-T20 を使ってる時に思った不満点は以下でした。

  1. ガラスまで距離がないから汚れが付きやすい
  2. 素材がプラスチックなのでブレさせないように眉に押し付けると痛くなってくる

 

X-H1・X-T3 は以前紹介したように以下のようにアイピースも用途によって交換も出来るので、長時間の使用でも辛くないのがいいところ。

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X-T3, EC-XT M, X-H1, EC-XT L

 

バリアングルモニターの採用

個人的には一番致命的なのがバリアングルモニターの採用ってところです。

写真メインだと X-T3、X-H1 などに採用されている 3軸チルトモニターが一番使い勝手がいいです。正直言って、バリアングルモニターで便利だなって思うことが1つも無い。逆にバリアングルモニターの場合には、以下の使い勝手が大幅に落ちるのでマイナスポイント。

  1. L型ブラケットが快適に使えない
  2. ローアングル・ハイアングルで撮る時にモニターの角度を変える時に2アクション(モニターをサイドに開く→角度を調整する)になるので面倒くさい
  3. 三脚に載せて使う際に縦位置にした際にモニターの角度が変えられなくなる(縦位置の場合にはL型ブラケットを使う前提なので)
  4. 光軸からズレているため、ローアングル・ハイアングル時にモニターを見ながら構図を作る必要があるけど水平を取りづらい

 

X-T4 でバリアングルモニターが採用されて今回の X-S10 もバリアングルモニターになったけど、次に出るハイエンド機もバリアングルモニターを採用するようなら富士フイルムを止めて他のメーカーにマウント変更も検討するくらい重要なところ。

 

結局買うのか?

うーーん、まだ決められない笑

バリアングルモニターの時点で買うことはほぼ無いんだけど、それ以外が魅力的なんだよなー。サブとして使うにはバリアングルモニターはなんとか妥協できるかな。。

 

今後の富士フイルムに思う事

写真メインのユーザーを大事にして欲しい

さっきも書いた通り X-T4 と X-S10 については Youtuber の影響力を意識してかバリアングルモニターを採用してるけど、写真メインのユーザーからしたらデメリットしかないので、写真メインのユーザー用のカメラをしっかりと出して欲しい。

この流れが続くと、本当に写真が好きでカメラに道具としての使い勝手を求めるコアなユーザーは富士フイルムから離れていくと思う。(実際に私はそう思ってます)

自撮りしたい人向きの機種としては X-S10 シリーズで継続すれば問題ないと思うので、他のシリーズにバリアングルモニターを拡大しないで欲しい。

 

X-Pro シリーズは写真メインのユーザー用ではない

写真メインの人は X-Pro シリーズがあるじゃんと言う人がいるかもしれないけど、X-Pro シリーズはスナップ重視で、全く写真メインのユーザー用では無い。富士フイルムの現行機種で一番操作性が良いのは X-H1 だと思ってます。なので X-H1 の正常進化モデルが欲しい。

 

X-H2 を写真メインのユーザー用に開発して発売して欲しい

グリップが貧弱な X-Tシリーズはガチな撮影には使いづらいから、X-H1  の後継はしっかりと写真メインユーザー向けとして販売して欲しい。

X-H2 自体が出るかどうかも怪しいけど、仮に X-H2 が発売された時に、また動画ユーザー向けに作り込まれてバリアングルが採用されたら、もう富士フイルムを卒業するしかなくなる。どうしてもバリアングルにしたいならパナソニックの S1H みたいに両方に対応したハイブリットタイプにして欲しい。

 

X-H1 は販売自体が振るわなかったけど、一番の原因としてはフラッグシップなのに使い古された X-Trans CMOS III を採用して AF性能が取り残されたことが原因だと思うから、X-H2 は以下の要素を満たして欲しい。

  1. 新開発の撮像センサーの採用(発売する時に富士フイルム内で最速の AF 性能の搭載)
  2. 3軸チルトモニターの採用(ぜったいにバリアングルは止めて!)
  3. NP-W235 バッテリーの採用
  4. 現行のグリップを継承し進化(X-S10 で取り込んだ上面に行くと湾曲しているところとか)
  5. フェザータッチシャッターの継続採用
  6. バッファー容量の増加(X-T3 で連写を多用するとたまに息切れすることがあるので)
  7. 上面の ISO・シャッタースピードダイヤルの廃止(EVFを覗いたまま設定を変えるのが難しいので GFX100 とかのスタイルにして欲しい)
  8. 背面液晶の性能アップ
  9. AF-ON ボタンの大型化
  10. 防塵防滴の堅牢なボディー

 

次のハイエンド機種次第では、本当にマウント変更も検討しなければ行けないと思うので、富士フイルムはどうか写真ユーザーをもっと大切にしてください。

 

2020年11月09日追記

2020年冬のキャッシュバックキャンペーンが始まります。X-S10 との相性のいい富士フイルムでも人気の単焦点レンズが対象になってるので合わせて購入検討もありだと思います。

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