※今回のレビューはタムロン様より機材を借りてのレビューとなります。
タムロン 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)について
タムロンとして、X マウント2本目のレンズ
富士フイルム X マウントについては、これまでサードパーティーの参入がほぼ無かったですが、2021年10月からタムロンが参入してくれました!
タムロンの X マウント1本目のレンズについては、富士フイルム純正では存在しない高倍率ズームの「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」で、今回は2本目のレンズとなります。「Tamron 17-70mm F2.8」はバイクツーリングにピッタリなんじゃないかと気になってたけど、今回レビュー機会を頂けました。
タムロン 17-70mm F2.8 の詳細については「商品ページ」を参照ください。
タムロン 17-70mm F2.8 の外観
デザインは最近のタムロンらしくスタイリッシュな感じです。
私が持っているお気に入りのマクロレンズ Tamron 180mm とは時代の進化を感じられるな。。
X-H1 のボディー内手振れ補正が欲しかった理由の一つに、花の撮影を行う際に昔から持っている「TAMRON SP AF 180mm F/3.5 Di LD [IF] MACRO 1:1 (Model B01) Nikon用」が使いたかったか[…]
付属のフードは花形フード。
X-S10 との組み合わせはこんな感じ。
X-S10 がコンパクトなので、レンズが大きめに見えるけど、バランス的には許容範囲。
X-H1 との組み合わせはこんな感じ。
X-H1 はボディーが大柄なので、バランスが凄くいい。全体の重量としては X-S10 よりも重いはずなのに重量バランスがいいのか、こっちの方が疲れないかも?
X-Pro2 との組み合わせはこんな感じ。X-Pro2 は小さめな単焦点との組み合わせが似合うので、流石に X-Pro2 とは見た目のバランスがいまいちかな?
ズーム回転の方向が純正と同じで使いやすい
サードパーティーのレンズを使う時に、地味に一番不満が出やすいのがズーム回転の方向です。ズーム回転の方向は各メーカーでバラバラなんですが、タムロンは富士フイルムと同じなので安心して購入することが出来ます。この数字が刻まれてる方向が富士フイルムと一緒です。
一応、各メーカーごとの回転方向は以下です。
時計回り | 反時計回り |
富士フイルム、タムロン、ソニー、ニコン、パナソニック、ペンタックス、トキナー | キヤノン、オリンパス、シグマ |
単焦点レンズの場合には、どのメーカーを買っても使い勝手に問題が出ることは少ないけど、ズームレンズの場合には回転方向が使い勝手に影響があるので純正と合わせることはかなり重要なので気にして買ったほうがいいと思います。
「絞りリング」がないのがちょっと残念
富士フイルム純正の大抵のレンズは、レンズに物理的な絞りリングが付いてるので F 値を変えたい時はレンズ側で操作することになりますが、このタムロン 17-70mm はレンズ側に物理的な絞りリングがついてないので、F 値の変更はボディー側で行う必要があり、操作感が統一出来ないのが残念です。
ただ、X-S10 との組み合わせで使うことが多かったけど前面のコマンドダイヤルで変更出来るので、慣れると操作しやすかったです。というか昔ニコンを使っていた時はこの操作だったからな。
手ぶれ補正 On/Off の物理スイッチは無い
手ぶれ補正の On/Off を切り替えるための物理スイッチは搭載されてないので、On/Off する際にはボディー側のメニューで行う必要があります。と言っても通常使用では手ブレ補正を Off にするのは三脚を使う時くらいだと思うので、三脚を多用しない人であればまったく問題なし。
タムロン 17-70mm F2.8 を早速バイクツーリングに連れ出してみた
※ここから載せている作例に関しては、以下となります。
- 撮影時は RAW 形式で撮影し、Adobe Photoshop Lightroom Classic で現像しています。
- RAW 現像は、プロファイル(Classic Chrome、ASTIA 等)の適用と「露光量」~「黒レベル」の項目のみを調整しており、シャープネス等が変わる「テクスチャ」「明瞭度」や「シャープ」などはデフォルトから変更していません。
- トリミングは行っていません。
- 「レンズ補正」は有効で補正量はデフォルト値(100, 100)のままです。
ズームレンズの一番のメリットは1本でいろんなシーンに適応出来ることです。バイクツーリングに連れて行くことを考えると、バイクに積載出来る量は限られているし、風が強くてレンズも出来ない状況も多いので、1本で色々と対応出来るズームしか選択肢にないです。
今回試したタムロン 17-70mm は XF16-55mm よりも望遠側が 15mm 長いので、その部分も楽しみなところ。
ラストチャンスの「アジサイ」をゲット
レンズを借りれたタイミング的にアジサイは厳しい感じだったけど、宮ヶ瀬湖にツーリングに行くついでに、かろうじて残っていた公園に寄り道して撮ってみました。
花を撮る時は背景をボカしたいので絞り開放(F2.8)で撮りました。昔の F2.8 ズームって開放の画質は残念なものもあったけど、この Tamron 17-70mm は開放でも安心して使うことが出来ました。
70mm で最短撮影距離で撮るとこんな感じで、普通に使う分にはまったく困らないくらいの距離感です。あとズームレンズのクセにボケが綺麗だな。
ちょっと絞ってもいい感じ。
アジサイを撮ってると聞き覚えのある鳴き声がしたので探してみると、やっぱりカワセミが居ましたー。流石に望遠側が 70mm なので慎重に近付いてもこれが限界でした。。(トリミングはしてません)
池にはカモの赤ちゃんもいました。癒される。
伊豆スカイライン~西伊豆スカイラインに行ってきた
私の中ではきれいな風景を見たいときの定番ルートが伊豆スカイラインと西伊豆スカイラインなので早速行ってきました。この日は霧も出てなく最高の天気。写真はスタート地点となる「熱海峠IC」です。
伊豆スカイラインは尾根を通っているので、スカイラインの名前のとおり、広い空を見ながら絶景の中を走ることが出来ます。
さっきの写真は広角で撮ったけど、同じ場所からテレ端となる 70mm で撮るとここまでアップにすることが出来ます。これがズームレンズのいいところです。
伊豆スカイラインからは富士山も見ることが出来ます。
伊豆スカイラインは「熱海峠IC」~「亀石峠IC」間が景色がいいので「亀石峠IC」で降りて修善寺を経由して「西伊豆スカイライン」に向かいます。西伊豆スカイラインの入り口の手前に「だるま山高原展望台」があるので休憩がてら寄って、毎回撮影する富士山をパシャリ。この日は雲がいい感じに出てて凄くいい感じ。
同じ場所からテレ端の 70mm で富士山をパシャリ。
西伊豆スカイラインに入ってからも富士山は見えます。ただ、基本的には南下する際は背後に見えるので、折り返して戻ってくる時に富士山を見ながら快適なツーリングが出来ます。
ここも個人的な定番の「戸田駐車場」。戸田駐車場からは富士山は見えないけど、右に写っている道を丘の上まで上がると富士山が見えるので5分くら歩きます。
丘の上まで上がると、こんな感じで富士山と西伊豆スカイラインが一緒に見れます。正しく絶景。
富士フイルム純正 XF16-55mm/XF18-55mm との比較
みんなが一番気になるであろう純正レンズとの比較になります。ただ、バイクツーリングに連れていくのは XF16-55mm なので、基本的には XF16-55mm との比較になります。
スペックシート上での比較
まずはスペックシートでの比較をしてみます。
項目 | タムロン 17-70mm F2.8 | XF16-55mm F2.8 | XF18-55mm F2.8-4 |
焦点距離 | 17-70mm | 16-55mm | 18-55mm |
F 値 | F2.8 | F2.8-4 | |
レンズ構成 | 12群16枚 | 12群17枚 | 10群14枚 |
最短撮影距離 | 0.19m (W端) / 0.39m (T端) | 0.6m (標準) / 0.4m (T端) | |
最大撮影倍率 | 0.2倍 (W端) / 0.19倍 (T端) | 0.16倍(T端) | 0.15倍(T端) |
フィルター径 | φ67 mm | φ77 mm | φ58 mm |
長さ | 119.6 mm | 106mm(W端)/ 129.5mm(T端) | 70.4mm(W端)/ 97.9mm(T端) |
質量 | 530 g | 655 g | 310 g |
絞り羽根 | 9枚 (円形絞り) | 7枚(円形絞り) | |
最小絞り | F22 | ||
防塵防滴 | 簡易防滴構造 | 防塵防滴、-10℃耐低温 | - |
レンズ内手ぶれ補正 | ◎ | - | ◎ |
XF18-55mm は F 値可変ズームなので、直接比較できるのは XF16-55mm だと思います。XF16-55mm と比較すると焦点距離のカバー領域と質量がタムロン 17-70mm に分があるところだと思います。あと、撮影倍率も高いのでテーブルフォトとかでも困ることはなさそう。
外観の比較
持ち運びにも影響がある大きさの比較です。私は標準ズームとしては XF16-55mm と XF18-55mm を持ってるので3つを並べてみました。左から、XF16-55mm、Tamron 17-70mm XF18-55mm です。
ここからは XF16-55mm との比較です。長さは Tamron 17-70mm F2.8 の長くて太さは XF16-55mm F2.8 の方が太いです。
フィルター径は XF16-55mm が 77mm で Tamron 17-70mm が 67mm なのでハッキリと分かるくらい XF16-55mm の方が太いです。
フードを付けるとこんな感じで、長さがほぼ一緒になります。XF16-55mm は約5年間使ってるのでフードが使用感満載ですが。。
テレ端までズームするとこんな感じ。
手ぶれ補正の効き具合は?
今回はボディー内にも手ぶれ補正を搭載する X-S10 との組み合わせで利用しました。
XF16-55mm は X-S10 か X-H1 のボディー内手ぶれ補正を搭載しているカメラでばかり使っているので、手ぶれ補正で困ったことがなかったので、今回の Tamron 17-70mm F2.8 で特段のメリットを感じることは無かったです。
ただ、ボディー内に手ぶれ補正を搭載していない機種を使っている人であれば、Tamron 17-70mm F2.8 はかなり強力な武器になるかな。
AF 速度は?
Tamron 17-70mm の AF 速度は不満のない速度です。ただ、めちゃくちゃ集中して XF16-55mm と比較すると、XF16-55mm の若干 AF スピードが早いような?気もします。というかその程度の違い。
写りの違いは感じる?
写りに関しては、若干 XF16-55mm F2.8 の方がシャープなような? 気もするようなしないようなという感じで、使っててまったく不満のない写りでした。
広角側の 1mm の違いは感じる?
広角側の 1mm は大きいとは言われますが、今回使ってて XF16-55mm との違いを感じることは出来ませんでした。。
重さの違いは感じることが出来る?
重さは明確に違いを感じれます。
というのは、Tamron 17-70mm F2.8 を手に取った時の第一印象が「あっ、軽」でした。XF16-55mm と比べると明らかに軽いです。ズームで F2.8 通しがほしいけど、少しでも軽量がいいと思う人は、こっちの方がいいかも?
ブログ用の物撮りレンズとして使いやすかった
私のブログで物撮りをしている機材については、ボディーが X-S10 または X-H1 でレンズは XF16-55mm で撮ることが多いです。
今回、レンズをお借りしていたタイミングでオーディオ機器を購入したので、以下の記事で使用している写真はすべて X-S10 と Tamron 17-70mm を使って撮影しました。
前から欲しいと思っていた iFi audio の ZEN Blue v2 だけど、たまたま公式サイトを見てみると 2022年9月1日から価格改定があり大幅値上げ(22,000円→33,000円)との情報があったので今のうちに購入したの簡単に[…]
使った感想としては以下です。
- 最大撮影倍率が Tamron 17-70mm の方が高いので、寄りの絵とかを撮りやすかった。XF16-55mm だともう少し寄りたいけどピントが合わないということが良くあるんだけど Tamron 17-70mm だとありませんでした。
- 画質に不満なし
- XF16-55mm に比べると、若干だけど周辺が歪曲してるかも?(箱の写真とか内容物の一覧の写真の時にちょっとだけ気になりました)
ということで、私のブログ用の写真撮影には最大撮影倍率が高くて大きく写すことが出来る Tamron 17-70mm がいい感じでした。ということはテーブルフォトがメインの人は Tamron 17-70mm の方がいいかも?
タムロン 17-70mm F2.8 は買いなのか?
で、結局のところ XF16-55mm F2.8 と比べて、タムロン 17-70mm F2.8 って買いなのか? についてです。
重要な検討要素となる実売価格の比較としては、以下となります。(2022年7月24日 マップカメラ情報)
項目 | タムロン 17-70mm F2.8 | XF16-55mm F2.8 | XF18-55mm F2.8-4 |
実売価格(税込) | 84,150 円 | 128,205 円 | 63,855 円 |
F2.8 通しのズームレンズとしては、XF16-55mm との比較になるけど、実売価格で約4万円程度の違いがあります。私は既に XF16-55mm を持っているので買い替えることは無いですが、これから標準域の F2.8 通しズームの購入を検討している人はかなり有力な候補になると思います。
あと、私はボディー内に手ぶれ補正が搭載されている X-S10 や X-H1 を使っているので恩恵は少なかったですが、ボディー内に手ぶれ補正が搭載されていない X-T3、X-T30 II、X-E4 などを使っている人には XF16-55mm よりも圧倒的にアドバンテージがあると思うので第一候補にあげていいと思います。