パソコン内蔵のスピーカーは音が貧弱で、もっと高音質で音楽を楽しみたいと思う人のために、パソコンで外部スピーカーを使う際の情報を纏めます。
PCスピーカーの選び方
PCとの接続形式を選ぶ
パソコンとスピーカーの接続方法は何パターンかあります。主な接続方式としては以下になります。
接続形式 | 説明 |
3.5mmイヤホンジャック | ・最もお手軽に利用出来る接続形式。 ・一般的なパソコンにはほぼ搭載されているので追加コストも必要なく利用可能。 ・デジタルからアナログへの変換はパソコン側で行うので、一般的には音質は良くない。 |
USBケーブル | ・パソコンで利用するなら一番ベターな接続方法。 ・ハイレゾで再生するときには USB 接続しか対応していないことが多いため、高音質で楽しみたい人は USB 接続を選んでおけば問題ない。 ・デジタルからアナログへの変換は、オーディオ機器側の高性能な DAC で行われるため高音質な事が多い。 ・ただし低価格なスピーカーの USB 接続は高音質でないことも多い。 |
光デジタルケーブル | ・一般的なオーディオ機器に搭載されていることが多く汎用性が高い。 ・パソコン側に光デジタル出力が搭載されていることが少なく、利用できる環境は限られる。自作PC用のマザーボードであれば搭載されていることが多いが、ノートパソコンなどには搭載されていない。 |
Bluetooth接続 | ・Bluetooth は使える帯域が狭いので有線で接続に比べて音質が劣化する傾向がある。 ・数コンマの遅延があるので動画再生では気になる時がある。(音楽再生では遅延してても問題なし) ・パソコンとは無線での接続なのでスピーカーの設置位置に自由度がある。 |
個人的なおすすめとしては「USBケーブル」での接続です。
USBで接続することで「ハイレゾ再生」にも対応してるものも多いです。ただ、今回紹介する3万円までのスピーカーでは USB 接続の機能が搭載されていないものも多いので、その場合はお手軽な 3.5mmイヤホンジャックでの接続がオススメです。
「Bluetooth接続」に関しては多少の遅延が発生するので音楽の再生だけであれば問題ないけど、動画視聴をする場合には数コンマ程度の遅延が発生するので画像と音がズレる可能性があるのであまりおすすめではありません。
アクティブスピーカーか? パッシブスピーカーか?
スピーカーには大きく分けて「アクティブスピーカー」と「パッシブスピーカー」と呼ばれているものがあります。
形式 | 説明 |
アクティブスピーカー | ・スピーカー内部にアンプを内蔵しており、スピーカーだけで完結出来る。 ・安価なスピーカーに採用されていることが多い。 ・DTM などに使用する高価なモニタースピーカーもアクティブタイプが多い。 |
パッシブスピーカー | ・スピーカーとは別にスピーカーを駆動させるためのアンプが必要。 ・ピュアオーディオ用のスピーカーは一般的にこのタイプ。 |
パソコン環境で利用するならアンプの設置が不要になる「アクティブスピーカー」がオススメです。
パソコンデスクは設置スペースが限られている事が多ので別途アンプが必要となるパッシブスピーカーはアンプとかに拘りがあったり、アンプやスピーカーケーブルを変えることによる音質の変化を楽しみたい人は選ぶと良いとお思います。
おすすめのPCスピーカー(1万円以下)
ここからは価格帯別におすすめのPCスピーカーを紹介します。まずは、お手軽に始められる1万円以下のPCスピーカーは以下になります。
JBL Pebbles
老舗オーディオメーカーの JBL が出している USBケーブルを接続するだけで利用出来るお手軽スピーカー。ただ、見た目が独特なので好みは分かれるところ。
JBL Pebbles の特徴は以下の通りです。
- USB 接続でお手軽に接続が可能
- USB バスパワー駆動のため、パソコンとは USB ケーブルのみの接続で利用可能
JBL Pebbles の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | USB コネクタ × 1 3.5mm ステレオミニジャック × 1 |
スピーカーユニット | 50mm 経フルレンジスピーカー × 2 |
周波数特性 | 70Hz – 20kHz |
サイズ | 幅 78mm、奥行 150mm、高さ 132mm |
重量 | 1.0 kg |
同梱物 | 3.5mmオーディオケーブル、取り扱い説明書 |
実売価格 | 約 6,000 円前後 |
Creative Pebble V2
コンパクトでお手軽に接続出来るスピーカー。音声入力は 3.5mmジャックだけど、電源については USB ケーブルから取るため取り回しが楽。
Creative Pebble V2 の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 |
スピーカーユニット | 各サテライト 2インチ |
周波数特性 | 100Hz – 17kHz |
サイズ | 幅 122mm、奥行 116mm、高さ 115mm |
重量 | 0.64 kg |
同梱物 | スピーカーケーブル(左右サテライト スピーカー間) 約1.35m(取り外し不可) ライン入力ケーブル 約1.2m(取り外し不可) 電源用USBケーブル 約1.2m(取り外し不可) USB C-A変換アダプター ハードウェア保証書 |
その他 | 電源は USB-C ケーブルで供給(USBバスパワー) |
実売価格 | 約 3,000 円前後 |
ロジクール Z313
サブウーファー付きなので、低音大好きな人は要チェック。あと特徴的なのがコントローラーが有線であるので手元で音量などの操作が出来て使い勝手がいい。
ロジクール Z313 の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 |
スピーカーユニット | サテライト: 50mm × 1 サブウーファー: 100mm × 1 |
周波数特性 | 48Hz – 20kHz |
サイズ | サテライト: 幅 89.4mm、奥行 81mm、高さ 146.2mm サブウーファー: 幅 150mm、奥行 220mm、高さ 228.4mm |
重量 | 2.3 kg |
同梱物 | 取扱説明書 |
その他 | 有線のコントロールポッドを使って、電源、音量およびヘッドフォンジャックに簡単アクセス |
実売価格 | 約 5,000 円前後 |
ロジクール Z407
Bluetooth での接続が出来るのと、コントローラー部分もワイヤレス対応となって設置場所の自由度が向上したモデル。
ロジクール Z407 の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 Micro-USB × 1 Bluetooth 5.0 |
スピーカーユニット | サテライト: 非公開 × 1 サブウーファー: 非公開 × 1 |
周波数特性 | ※非公開 |
サイズ | サテライト: 幅 93.9mm、奥行 85.2mm、高さ 199.9mm サブウーファー: 幅 234mm、奥行 180mm、高さ 240mm ワイヤレスコントロールダイアル: 直径 69.9mm、高さ 29.4mm |
重量 | サテライト: 389.6 g サブウーファー: 2450.6 g ワイヤレスコントオールダイアル: 51.8 g |
同梱物 | 3.5mmケーブル、取扱説明書、保証書、保証規定 |
その他 | ワイヤレスコントロールには、電源、音量、低音 コントロール、ミュート、ミュート解除、次のトラック、巻き戻し、Bluetoothペアリング、ソース切り替えボタンなどがあります |
実売価格 | 約 9,000 円前後 |
おすすめのPCスピーカー(1万円以上~3万円以下)
3万円まで出すと音質にもこだわったモデルが増えて来ます。せっかく外部スピーカーを購入するなら、最低でもこの価格帯から購入することで満足感が高いと思います。
Bose Companion 2 Series III
定番中の定番となる Bose の PC スピーカー。値段も1万円ちょいとお手頃価格なのが魅力。
Bose Companion 2 Series III の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 |
スピーカーユニット | ※非公開 |
周波数特性 | ※非公開 |
サイズ | 左:幅 80mm、奥行 150mm、高さ 190mm 右:幅 80mm、奥行 145mm、高さ 190mm |
重量 | 左:1kg、右:0.8kg |
同梱物 | オーディオ入力ケーブル(ミニプラグ付き)、スピーカーケーブル、ACアダプターパック |
実売価格 | 約 13,000 円前後 |
FOSTEX PM0.3H
これもPCスピーカーの定番となる TOSTEX PM0.3H。コンパクトな筐体で見た目もいいのでデスクトップに設置してもおしゃれ。よくPCデスクトップ周りの紹介動画とかに登場することが多いです。値段もお手頃でサイズもいい感じなので選ばれる事が多いと思います。
FOSTEX PM0.3H の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 RCAピンジャック × 1 |
スピーカーユニット | 75mm(3インチ)コーンスピーカーウーハー × 1 19mm(3/4インチ) ソフトドームツィーター × 1 |
周波数特性 | 110Hz〜40kHz |
サイズ | 幅 100mm、奥行 130mm、高さ 185mm |
重量 | 1.5kg(アクティブスピーカー側)、1.44kg(パッシブスピーカー側) |
同梱物 | ACアダプター、スピーカーケーブル(1.5m)、ステレオミニ-RCA×2ケーブル(1.5m) |
実売価格 | 約 15,000 円前後 |
harman/kardon SoundSticks Wireless
見た目のオシャレ感 No.1 と思っている SoundSticks シリーズです。私はワイヤレス対応になる前の世代のものを使ってましたが、音も良かったです。この音質で不満が出ることは無いと思います。
harman/kardon SoundSticks Wireless の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 Bluetooth 2.1 +EDR |
スピーカーユニット | サテライト: 25mm径ネオジュムドライバー左右各4個 サブウーファー: 150mm径ネオジュムドライバー × 1 |
周波数特性 | 44Hz〜20kHz |
サイズ | サテライト: 直径 51mm × 高さ 254mm サブウーファー: 直径 232mm × 高さ 258mm |
重量 | サテライト: 0.7kg × 2 サブウーファー: 2.2kg |
同梱物 | ACアダプターx1、取扱説明書 |
実売価格 | 約 16,000 円前後 |
JBL プロフェッショナル 104-BT-Y3
コンシューマー向けの JBL では無くて、コンサートホールとかプロ向けの機材を提供している「JBL プロフェッショナル」から出ているモニタースピーカー。この価格帯で同軸機構(高域ドライバーと低域ドライバーを同軸上に配置)を採用しているスピーカー。
カラーナインナップもホワイトが用意されていて、デスクトップ周りをおしゃれにしたい人にもおすすめ。
JBL プロフェッショナル 104-BT-Y3 の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 RCAピンジャック × 1 標準フォーン(バランス)× 1 Bluetooth 5.0 |
スピーカーユニット | 同軸:114mm(4.5インチ) × 1、19mm(3/4インチ) × 1 |
周波数特性 | 60Hz〜20kHz |
サイズ | 幅 153mm、奥行 125mm、高さ 247mm |
重量 | 2.1kg(マスタースピーカー)、1.8kg(エクステンションスピーカー) |
同梱物 | ステレオミニフォーン⇔RCAケーブル(約1.5m)、スピーカーケーブル(約2m)、電源コード、和文取扱説明書 |
参考価格 | 約 22,500 円前後 |
高音質で入力出来る「バランス接続」の「フォーン入力端子」が搭載されているのもプロ向けの環境を意識してて魅力的。ただ、フォーン入力するためにはバランス出力出来る DAC とケーブルが必要になります。
パソコンと USB 接続出来てバランス出力出来る機器は選択肢自体が少ないんだけど、コスパが良いのが iFi audio の ZEN DAC です。
ZEN DAC には 4.4mm バランス出力が搭載されているので、4.4mm バランス端子から TRS 端子に接続する必要があるので以下の組み合わせとかが必要です。
YAMAHA HS5
音響メーカーの老舗のヤマハから発売されているモニタースピーカー。ウーファーのサイズ違いで HS8 / HS7 / HS5 と展開されているけど、パソコンと使うなら一番小さい HS5 が最適。
ウーファーのコーン部分がホワイトなところもおしゃれな感じでいい。
項目 | 説明 |
入力端子 | XLR × 1 TSR フォーン端子 × 1 |
スピーカーユニット | 5インチウーファー × 1、1インチツィーター × 1 |
周波数特性 | 54Hz〜30kHz |
サイズ | 幅 170mm、奥行 222mm、高さ 285mm |
重量 | 5.3 kg |
同梱物 | 取扱説明書、電源コード |
参考価格 | 約 28,000 円前後 |
このスピーカーも TRS 入力があるのでさっきと同様に ZEN DAC からバランス接続が可能です。
おすすめのPCスピーカー(3万円以上~)
3万円を超えると、本格的なスピーカーが選択出来ます。
TANNOY GOLD 5
老舗スピーカーメーカーの TANNOY から出ている同軸モニタースピーカー。こちらも「フォーン入力端子」と「XLR入力端子」を備えてて高音質なバランス入力が出来ます。1本単位で販売されているのでステレオとして利用するため2本購入が必要です。
TANNOY GOLD 5 の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 XLR(バランス)× 1 標準フォーン(バランス)× 1 |
スピーカーユニット | 同軸:127mm(5インチ) × 1、20mm(0.8インチ) × 1 |
周波数特性 | 70Hz〜20kHz |
サイズ | 294 x 183 x 252mm |
重量 | 5.8 kg |
参考価格 | 約 55,000 円前後(2本) |
このスピーカーも XLR か TRS でのバランス接続が出来るので、パソコンの音をバランス出力できる USB DAC となる iFi audio ZEN DAC などがオススメです。
AUDIOENGINE A2+ Wireless
サイズはコンパクトだけど、入力形式も複数用意されてて USB でも接続出来る万能なスピーカー。
日本での知名度は低い気はするけど、海外のおしゃれなPC周りを紹介している動画への登場率は凄く高いと思う。
AUDIOENGINE A2+ Wireless の仕様一覧
項目 | 説明 |
入力端子 | 3.5mm ステレオミニジャック × 1 RCAピンジャック × 1 USB × 1 Bluetooth 5.0(aptX, AAC, SBC) |
スピーカーユニット | 2.75inch アラミドファイバー製ウーファー 3/4inch シルクドーム・ツイーター |
周波数特性 | 65Hz〜22kHz |
サイズ | 幅 100mm、奥行 130mm、高さ 150mm |
重量 | 左;1.6kg、右:1.4kg |
実売価格 | 約 30,000 円前後 |
ピュアオーディオ用のアンプとスピーカーをPC環境で使用する
これまで紹介したのは「アクティブ」タイプのスピーカーだったけど、ピュアオーディオ用のスピーカーは「パッシブタイプ」のものなので好きなアンプと組合せると好みの環境を構築出来ます。
私はこのタイプを選択しててアンプは QUAD Vena II でスピーカーは DALI OPTICON1 + DALI SUBE9F(サブウーファー)といものを組み合わせて使ってます。この組み合わせだとケーブルとかも含めると合計で約 30 万円くらいかかってるけど、音楽をいつまでも聴きたくなるくらい心地良い音楽を聞くことができます。
パソコン用のオーディオ環境として QUAD Vena II というプリメインアンプを導入したので簡単にレビュー。これまでのパソコン用オーディオ環境についてテレワーク生活が始まってからパソコンのオーディオ環境に凝りだして、以下のエント[…]
DALI のサブウーファー SUBE-9F を購入したのでレビュー。結論としては買って大正解でした! もっと早く買えばよかった。DALI のサブウーファー SUBE-9F を選んだ理由サブウーファーを購入しようかと考えたきっかけ[…]