X-S10 を購入して2ヶ月経過したの使用レビュー

 

発売日に購入した X-S10 だけど、購入から2ヶ月経過したので使い勝手とかのレビューをしたいと思います。といってもこのご時世なので、外での使用はそこまで出来てないけど。。

ちなみに、これまで購入してきた富士フイルムのカメラは「このサイトについて」にも記載しているけど、X-T20・X-E2・X-T2・X-H1・X-T3・X-Pro2 です。なので、それらの機種を使ってきたところとかの比較にもなってます。

富士フイルムからのアンケートがきっかけ

今回、使用レビューをしようかと思ったきっかけは、富士フイルムから X-S10 のアンケートが届いたのがきっかけでした。届いたアンケートの文面としてはこんな感じで富士フイルムってユーザーの声を少しでも取り込もうとしてて凄く好感がいいよね。

~~ 一部抜粋 ~~
さらなるサービスの向上、充実に努めたく、お客様のご要望、
ご意見等お伺いしたいと思っています。

つきましては、以下のアンケートにご協力いただけますよう
よろしくお願いいたします。

 

今後のファームウェアアップデートで反映してくれたら嬉しいので、使い勝手で不満に思っているところは細かくアンケートに答えておきました。

今回の気に入っているところとイマイチなところについてはファームウェア Ver.1.02 を元に書いてます。

 

X-S10 の気に入っているところ

トータルで考えると購入して満足感が高いです。その中でも、まずは気に入っている箇所をピックアップしてみます。

軽量コンパクトは最大の武器

やはりなんと言っても X-S10 の最大の魅力は軽量コンパクトというところです。

EVF の性能や操作感は X-H1 の方がいいんだけど、気づけば使っているのは X-S10 ばかりになってます。部屋の中で使う時も常に手元に置いておきたいし、外に持ち出す場合も軽量なので体への負担が少ないのが凄くいい。

数値的な重量の差としては以下のとおり 208g だけだけど、実際に持ってみた印象は全然違って、ついつい手に取りたくなる軽量さです。

X-H1X-S10重量差
673 g465 g208 g

 

しっかりとしたグリップはやっぱり使いやすい

富士フイルムでしっかりとしたグリップを採用しているのは X-H1X-S10 の 2 機種だけだけど、やっぱりしっかりとしたグリップは使いやすい。

X-S10, XF16-55mm

 

X-S10 を購入する前は X-T3 も使ってたけど、X-T3 はグリップが貧弱すぎて重たいレンズを使う時はバランスが悪くなるので、別売のサードパーティーのグリップ付きのブラケットを装着して使ってました。

X-S10 であればグリップがしっかりしているので、どのレンズを組合せても快適に使えます。

一番大きいレンズの組合せとしては XF100-400mm との組合せで野鳥撮影をする時だけど、凄く快適に出来ました。もちろんボディーサイズの大きい X-H1 の方が全体の重量バランスとかはいいんだけど、野鳥撮影だと 2~3時間程度使うのでトータルとして軽量に出来る X-S10 に分がある。

 

ボディ内手ブレ補正は最高

現時点で手元にあるのは X-H1・X-Pro2・X-S10 の3機種なんだけど、X-H1 もボディー内手ブレ補正が入ってて、もうボディー内手ブレ補正が入っていないカメラが使えない体になりつつある(笑

何が一番いいかって、使うレンズによってどのボディーを使おうかというのを考えなくてもいいというところが一番のメリット。

これまでレンズ側に手ブレ補正が入ってなければ X-H1 を選んで、レンズ側に手ブレ補正が入っているから X-T3 を使おうとかいう思考だったんだけど、メインで使用するカメラが X-H1 と X-S10 になってからは、どっちに付けても手ブレ補正が効くので何も考えなくてもいいのが最大のメリット。

 

AF 速度 & 色味は安心出来る

X-S10 のセンサーは、フラッグシップ機となる X-T4 に搭載されている X-Trans CMOS 4X-Processor 4 が搭載されているので、AF速度に関しては不満なく使うことが出来ます。

Sony とか Canon の最新の高級ミラーレス機(20万円オーバー)とかに比べると流石に可愛そうだとは思うけど、普通の人が使う分にはまったく問題ない速度です。新しいミラーレス機が出るたびに AF 速度が AF 速度がと声が大きい人がいるけど、普通の人が普通の撮影で使う分には X-Trans CMOS 4X-Processor 4 で十分です。

野鳥撮影にも使ったけど、まったく問題なし。

X-S10, XF100-400mm, ASTIA

X-S10, XF100-400mm, ASTIA

 

観光地でキレイな写真をお手軽に撮りたい時には最適

X-S10 を購入した直後くらいに出張で京都に行くことがあったので、X-S10 と XF16-55mm の組合せを持っていったんだけど、最高の組合せだった。XF16-55mm は富士フイルムの中では重量級のレンズであまり観光とかには向いてないんだけど、X-S10 が軽量でトータル重量としても許容範囲内でグリップもしっかりしてるので XF16-55mm とのフロントヘビーとの組合せでも問題なく使うことが出来た。

X-S10, XF16-55mm, CLASSIC CHROME

X-S10, XF16-55mm, CLASSIC CHROME

 

X-S10, XF16-55mm, CLASSIC CHROME

X-S10, XF16-55mm, CLASSIC CHROME

 

X-S10, XF16-55mm, CLASSIC CHROME

X-S10, XF16-55mm, CLASSIC CHROME

 

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なんだかんだでバランスが最強

これまで気に入っているところで書いてるポイントは、至って定番のことしか書いてないんだけど、X-S10 のいいところは、この当たり前に使えたら嬉しい機能が使えるのに実売で約12万という価格で販売されているところが最大のメリットだと思います。

ここ最近、フルサイズミラーレス機は値段がインフレしすぎて、趣味で買う値段ではなくなっているけど、富士フイルムはレンズも含めて一般的な人がカメラを趣味として使うのに、ちょうど良い性能と価格のバランスになっているのがいいところ。

 

X-S10 の不満なところ

X-S10 には致命的な不満はないけど、これまで X-H1 や X-T3 とかを使って来た流れで使うと気になるところがあったので、かなり細かな点だけど気になる人は気になるポイントだと思うのでピックアップします。

ISO感度の設定変更がコマンドダイヤルで出来ない

個人的に一番使い勝手がイマイチだなと思うのがこのポイント。

これまでの X-T3 や X-H1 とかでは、以下のエントリーで紹介したとおり、前面のコマンドダイヤルで ISO 感度の設定を直接変更することが出来てました。

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X-T3

 

コマンドダイヤルだけで ISO 感度の設定が出来ることがなぜいいかというと、これまで X-T3 や X-H1 では以下のような使い方をよくします。特に野鳥とか花の撮影時。

  1. F値は絞り開放(シャッタースピードを稼ぎたいのと背景をボカして印象的にしたい)
  2. シャッタースピードは撮影対象がブレない程度に出来るだけ遅く固定
  3. 「①」「②」の設定はほぼ固定で露出の微調整は ISO 感度の設定で行う

 

これの何がいいかというと、露出が安定している環境では、この撮影方法が一番効率よく撮影する事が出来ます。一眼レフだとこんな撮り方は出来なかったけど、ミラーレス機のメリットとなる EVF に表示されている明るさのまま撮ることが出来るので、この方法が私の中ではベストです。

 

ただ、X-S10 には関してはコマンドダイヤルに ISO 感度変更を割り当てる事が出来ません。

X-S10 に関しては ISO 感度の変更を物理ボタンに割り当てることは出来るんだけど、さっき紹介したようなスムーズな変更が出来ないので、EVF を覗いたまま明るさを微調整するような使い方では使い物になりません。

X-S10 で物理ボタンに ISO 感度を割り当てた場合の具体的な ISO 感度の変更方法は以下のような感じになります。

  1. ISO感度を割り当てたボタンを押す
  2. 画面に ISO 設定が表示されるため、コマンドダイヤルを回して ISO値 を選ぶ
  3. OK か AF半押しで撮影に戻る

 

という感じでリニアに ISO 感度を変えることが出来ず、設定を変える毎に3アクションが必要になって使い物になりません。

そのため、現在は以下の設定で回避してます。というか、この使い方の人の方が多い気はするけど、それぞれの設定値の微調整がやりづらいので私としてはあくまで妥協案です。いつかファームウェアアップでマニュアル露出の時だけでもいいので、前面のコマンドダイヤルで ISO 感度の変更を出来るようにして欲しい。

  1. 撮影モードを「絞り優先モード(A)」にする
  2. ISOオートに設定し、「低速シャッター限界」を撮影対象に合わせて設定する
  3. 撮影時の露出の微調整は、露出補正(背面のコマンドダイヤル)で行う

 

背面のコマンドダイヤルに押し込みボタンがない

これまでの機種では背面にあるコマンドダイヤルを押し込むことで以下のような操作を行ってました。

  • フォーカスポイント部分の拡大表示

 

X-S10 だけを使う場合にはそこまで気にならないんだけど、他の機種を持っている場合だと操作性が変わるのが一番の問題。

写真を撮る時に頻繁に操作することに関しては、頭で考えて操作するというより手が覚えてて自然と動くんだけど、操作性が違うと、このカメラだからこうとイチイチ考えるのが撮影に集中できなくなる。

コマンドダイヤルの押し込みボタンがなくなっため、フォーカスレバーとかの使い勝手も X-T3 や X-H1 とかに比べて以下のように変わってます。

実現したい操作X-T3、X-H1 の場合X-S10 の場合
フォーカスポイント部分の拡大表示コマンドダイヤルの押し込みフォーカスレバーの押し込み
AF ポイントを中央に戻すフォーカスレバーのダブルクリックAF ポイント変更画面で BACK ボタン

 

AFポイントを中央に戻す操作に関しては X-S10 は EVF を覗きながら操作するのは困難(EVF を覗きながら「BACK」ボタンを素早く押すのは無理)になったので、X-S10 はフォーカスレバーを動かして手動でフォーカスポイントを移動して戻すようにしてます。

 

バリアングルモニターはやっぱり使いづらい

X-S10 を購入するまではバリアングルモニターを採用している機種を使ったことがなくて、イメージだけでバリアングルモニターは毛嫌いしてました。

で、実際に X-S10 で実践でも使ってみた感想だけど、やっぱり使いづらい(笑)

どう考えても写真をメインに使うなら3軸チルトモニターが最適。これまで使ってきた X-T2・X-T3・X-H1 はどれも3軸チルトモニターだったけど、すごく使い勝手が良かったけど、バリアングルモニターは使いづらすぎる。使いづらいポイントとしては主に以下です。

  1. ローアングルとかハイアングルの時にモニターの角度を付けたい時に必ず2アクション(モニターをサイドに開く→角度を調整する)になってしまい手間がかかる(3軸チルトだと1アクション)
  2. ローアングル時に構える時に、モニターがサイドに開くから、左手の手首あたりにモニターがあたってカメラを固定しづらいし、モニターが見えづらい
  3. 三脚使用時に L側ブラケットが使えないから縦位置の撮影が安定しない

 

ということで、やっぱりバリアングルモニターは動画撮影の人のための物だと思います。

他社の2軸チルトモニターとの比較だとバリアングルモニターはいい勝負をするかもしれないけど、富士フイルムが採用している3軸チルトだと写真ユーザーには圧倒的に3軸チルトが使いやすい。

 

物理ボタンのショートカットで SD カードのフォーマットが出来ない

これも地味に使いづらいのが、これまで使ってきた機種って以下の操作で直接フォーマットメニューを呼び出すことが出来ました。

  • 「削除」ボタンを長押し+背面のコマンドダイヤルの押し込み

 

X-S10 は削除ボタンがドライブモードと兼用になっているのと、背面のコマンドダイヤルの押し込みボタンが廃止されてて使うことが出来ません。そのため、X-S10 で SD カードのフォーマットを行う時は以下の手順が必要で、私の使い方として撮影前は必ず SD カードのフォーマットをするので地味に手間がかかるのがマイナスポイント。

  1. メニューボタンを押す
  2. セットアップメニューに移動する
  3. 基本設定 → フォーマットに移動する
  4. SD カードをフォーマットする

 

アイカップがプラスチックで固くて長時間使用が辛い

X-S10 のアイカップは X-T30 とかと同形状のプラスチックを採用しているタイプです。

X-S10, EVF, ファインダー

 

ちょっとしたスナップとかであれば何も気にならないんだけど、1つの対象を集中して1~2時間程度連続して撮影するのには向いてないです。私の場合には野鳥撮影や花とかの撮影がそれに該当します。

EVF を長時間覗く必要がある撮影の場合には、以前も紹介したけど、以下のアイテムがオススメです。これは X-S10 用ではなく X-T30 用なのでホットシューに最後まで差し込むことが出来ないけど、EVF としては問題なく使えます。

 

これがあると無いとでは快適度が大きく違うので、EVF を覗く時間が多い撮影が多い人は購入した方がいいです。あと遮光性も上がるので晴天の日とかも EVF が見やすくなるし、今の御時世だとマスクをしたままでも EVF が曇らずに快適に撮影することが出来ます。ただ、これを付けるとバリアングルが開かなくなります。

X-S10, EVF, ファインダー, アイカップ

 

バリアングルではなく3軸チルトモニターであれば、こういった物理干渉の仕方であれば、工夫すれば開くことが出来たので、この点でも3軸チルトモニターじゃないのが悔やまれる。

 

2021/02/23追記

X-S10 用も販売開始されてました。

 

Adobe Lightroom の RAW 現像で「クラシックネガ」が選択出来ない

これは富士フイルムが原因ではなく Adobe が原因だと思うんだけど、Lightroom Classic で RAW 現像をする時にクラシックネガを選択することが出来ません。。

他のフィルムシミュレーションについては RAW 現像時に選ぶことが出来るんだけど、なぜか一番使いたい「クラシックネガ」だけが使えない。こればっかりは今後の Adobe Lightroom Classic のアップデートに掛けるしかないかな。

 

ブログ用の写真撮影は X-H1 から X-S10 に移行

このブログで物撮りをする時に主に使うレンズは主に以下の2つです。

  1. XF16-55mmF2.8 R LM WR
  2. XF60mmF2.4 R Macro

 

両方ともレンズ側に手ブレ補正機能が入ってないので、これまではボディ内手ブレ補正がついている X-H1 との組合せで使ってたんだけど、X-S10 を購入後は X-S10 ばかりを使うようになりました。

一番の要因としては、やっぱり軽量・コンパクトなところです。物撮りは室内でするので手の届くところにカメラを常に置いてるんだけど、やっぱり軽量コンパクトが最強でした。

 

最後に

そこまで使い込んだわけではないけど、X-T3 を手放して X-S10 を購入して正解だった。

購入する時の想定よりも満足度は高いので、購入を迷っている人は買って問題ないと思います。X-S10 は軽量コンパクトなのにボディー内手ブレ補正は付いてるは普通に使うには不満が出ない AF 速度もあるし色味も凄くいいので、一般人が買うには最適なカメラになっていると思います。

 

2021年2月23日追加

SmallRig の Lブラケットを購入したのでレビューを書きました。

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